平成27年度介護報酬改定後のリハビリの方向性

はじめに

介護報酬改定は3年に1度行われます。

今回は介護保険下でのリハビリと言われている『訪問リハビリテーション』・『通所リハビリテーション』の平成27年度介護報酬改定後の方向性について説明します。

解釈方法は様々であり、自治体によっても異なる場合があります。

資料は厚労省のHPから引用したものが多く、引用先も画像の下に表記してあります。

私が他職種に向けてリハビリの方向性について簡単に説明した自作のスライドに沿って説明します。

まだまだ、在宅でのリハビリテーションの方向性は周知されていないことが現状の課題であります。

少しでもリハビリの方向性を理解して頂けたら幸いです。

背景

日本は少子高齢化時代です。これから75歳以上の割合が急速に増加していきます。

今後、急速に高齢化が進み、やがて『1人若者が1人の高齢者を支える』という厳しい社会が訪れることが予測されています。

1965年『胴上げ型』9.1人の20~64歳の若者が1人の65歳以上の方を支えていました。

2012年『騎馬戦型』2.4人で1人を支えていました。

2050年『肩車型』1.2人で1人を支えることが推測されます。

今後の課題はリハビリテーション含め、様々な方法で働ける65歳以上をつくる必要があります。

 

65歳以上の高齢者数は、2025年には3,657万人となり、2042年にはピークを迎える予測がされています。また、75歳以上の高齢者の全人口を占める割合は増加していき、2055年には25%を超える見込みです。

また、65歳以上の高齢者のうち、認知症高齢者が増加していくことが予測されます。

世帯主が65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯が増加していくことも予測されています。

75歳以上人口は、都市部では急速に増加し、もともと高齢者人口の多い地方でも緩やかに増加します。各地域の高齢化の状況は異なる為、各地域の特性に応じた対応が必要になります。

また、高齢者が増えることにより、介護給付費は増加し、保険料は増加の推移を辿ります。

高齢化の進展により、保険料が2020年には6,771円2025年には8,165円に上昇することが見込まれており、地域包括システムの構築を図る一方、介護保険制度の持続可能性の確保のための重点化・効率化も必要となってきます。

 

患者のニーズに応じた病院・病床機能の役割分担や医療機関間、医療と介護の間の連携強化を通じてより効果的・効率的な医療・介護サービス提供体制の構築を目指していきます。

患者利用者の方々は、病気になっても、職場や地域生活へ早期復帰を目指し、医療が介護が必要になっても、住み慣れた地域での暮らしを継続できることを目指します。

これからは『施設』から『地域』、『医療』から『介護』への時代です。

その為にも相互の連携深化が問われます。

高齢者はどんどん増加をします。介護施設は現在の2倍となる予定ですが、病床数は変わりません。

では、『どこで看取るのでしょうか?』

自然と『自宅』となることが予測されます。

簡単にまとめますと、

子供が減り、高齢者が増える

認知症高齢者も増え、

高齢者だけで生活する世帯も増える

しかし、国はお金が無く、病院も増えない

ということになります。

理学療法士としての私の悩み

2016年、現時点でさえ非常に多い高齢者・障害者

今後、2025年に向けて高齢者数も大幅に増加される

しかし、病床数の増加はなく、入院期間も減少される(ほとんどが在宅)

在宅での生活期のリハビリ難民は確実に増加されることが予測される

本当は1人1人向き合い、時間をかけて理学療法士として

リハビリテーションを提供していきたい。しかし、それは不可能である。

今後、我々リハビリ職に求められていることはなんだろうか………???

寝たきり予防・障害の改善、生活の再建

そして社会参加を支援するためには‥‥

『急性期医療から回復期・生活期に至る適時・適切且つ、 継続的なリハビリテーションの展開』が非常に重要 である。

これだけは分かって頂きたい。決して見捨てている訳ではない。

リハビリテーションの定義

「障害者を、その人にとって可能な限り最大の身体的、精神的、社会的、経済的な有用性を有するまでに回復させることである」

(全米リハビリテーション協議会、1943年)

医学的、社会的、教育的、職業的手段を組み合わせ、かつ、相互に調整して、訓練あるいは再訓練することによって、障害者の機能的能力を可能な最高レベルに達せしめることである」

(WHO:世界保健機関、1969年)

身体的、精神的、かつまた社会的に最も適した機能水準の達成を可能にすることによって、各個人が自らの人生を改革していくための手段を提供していくことを目指し、かつ、時間を限定したプロセスである」

(国連「障害者に関する世界計画」、1982年)

地域リハビリテーションの定義

「地域に存在するさまざまな社会資源を、障害者本人、家族、地域社会が使い、またはつくり出し、地域社会の主流に障害者が再び主体的に融合できるためのリハビリテーションである」

(厚生省地域リハビリテーションシステム委員会)

「障害のある人々や、高齢者およびその家族が住み慣れたところで、そこに住む人々とともに、一生安全に、いきいきとした生活が送れるよう、医療や保健、福祉及び生活にかかわるあらゆる人々や機関・組織がリハビリテーションの立場から協力し合って行う活動のすべてをいう」

(日本リハビリテーション病院・施設協会、2001年)

真のリハビリテーションの形

これらの定義から医療的ケアのみでは真のリハビリテーションは成立しないことがわかります。

リハビリテーションには、保健・医療・福祉の3つの分野が不可欠です。

それぞれの分野で、援助方法や考え方、専門的な用語は異なりますが、

最終的な目標は同じです。

各々がばらばらにリハビリテーションを展開するのではなく、

同じ目標に向かって手を組んで地域を支えていきましょう。

そのためには働と連携”は必要不可欠です。

協働とは‥‥協力して働くことです(「広辞苑」(岩波書店))

(協働者)医師、PT・OT・ST、看護師、保健師、ケアマネージャー、社会福祉士、介護福祉士、その他専門職種等……

連携とは‥‥同じ目的をもつものが互いに連絡を取り、協力し合って物事を行うことです(「広辞苑」(岩波書店))

在宅のリハビリテーションの形

『リハビリ専門職の訓練だけがリハビリテーションではない』

リハビリ専門職へ向けたメッセージです。

リハビリ専門職の直接的な関わりだけがリハビリテーションではありません。

様々な関わり方があります。

①直接援助活動(障害の発生予防の推進、急性期~回復期~維持期リハの体制の整備)

②組織化活動(円滑なサービ提供システムの構築、地域住民も含めた総合的な支援体制作り)

③教育啓発活動(地域住民へのリハに関する啓発、医療介護専門職に対する知識技術の支援)

ただ、誤解して欲しくないことは『関わらなくても良い』という事ではありません。

医療・介護サービスとリハビリテーション

超高齢者社会における地域医療は『病巣の治癒や救命のみならず、安心・安全な地域生活に繋ぐ』ことが重要です。

今までの医療や介護サービスではADL・IADLの自立、生活の再建による在宅復帰、そして生活機能の維持・向上は目指しても、残念ながら具体的な社会参加支援には至っていなかったように思います。

どのように年老いても、障害があっても地域社会の一員としてその人らしく暮らし続けることを共に大切に支え合う地域づくりが求められます。

そのような地域で医療や介護サービスが提供されることが望まれます。

これからは地域住民が互いに支え合い、人々が住み慣れた地域で、その人らしく暮らしていくことを大切にリハビリの観点から支援する『地域リハビリテーション』活動が重要となります。

生活期のリハビリテーション

◎通所サービス

○通所介護‥施設に通って入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練を行う

○通所リハビリ‥介護老人保健施設、病院、診療所で、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法などのリハビリテーションを行う

◎訪問サービス

○訪問リハビリ‥居宅要介護者などについて、その居宅で、その心身の機能維持回復をはかり、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法、その他必要なリハビリテーションをいう

○訪問看護‥居宅要介護者等について、その居宅で、療養上の世話または必要な診療の補助をいう

※生活期での介護保険におけるリハビリテーションというものは『通所リハビリ』と『訪問リハビリ』の2つです。

訪問リハビリと通所リハビリの現状(H27年度前)

介護保険における、訪問・通所リハビリテーションを提供する事業所の数、サービス受給者の数は、平成20年以降一貫して増加傾向にあります。

訪問・通所リハビリテーションともに心身機能に関するプログラムが多く、参加に向けたプログラムがほとんどないのが現状です。

月間利用者総数に占める終了者の割合は、5%未満です。

平成27年度介護報酬改定概要

そこで生まれたものが『活動』や『参加』に焦点を当てたリハビリテーションの推進です。

リハビリテーションの理念を踏まえた「心身機能」、「活動」、「参加」の要素にバランスよく働きかける効果的なサービス提供を推進するための理念の明確化がされました。

また「活動」、「参加」に焦点を当てた新たな報酬体系が導入されました。

その背景には地域包括システムの構築があることを忘れないでください。

訪問・通所リハビリの報酬体制の変更点

「心身機能」、「活動」、「参加」の要素にバランスよく働きかける効果的なリハビリテーションの提供を推進するため、そのような理念を明確化するとともに、「活動」と「参加」に焦点を当てた新たな報酬体系の導入や、このような質の高いリハビリテーションの着実な提供を促すためのリハビリテーションマネジメントの充実等を図ることになりました。

リハビリテーションは、心身に障害を持つ人々の全人間的復権を理念として、単なる機能回復訓練ではなく、潜在する能力を最大限 に発揮させ、日常生活の活動を高め、家庭や社会への 参加を可能にし、その自立を促すものであると定義されました。

リハビリテーションは「心身機能」、「活動」、「参加」などの生活機能の維持・向上を図るものでなければならないことについて、訪問・通所リハビリテーションの基本方針に規定されました。

活動と参加に焦点を当てた新たな評価体系の導入(通所リハ)

ADL・IADL、社会参加などの生活行為の向上に焦点を当てた新たな「生活行為向上リハビリテー ション」として、居宅などの実際の生活場面における具体的な指導等において、訪問と通所の組み 合わせが可能な新たな報酬体系を導入。

生活行為向上リハビリテーション実施加算

開始月から起算して3月以内の期間に行われた場合 2,000単位/月(新設)

開始月から起算して3月超6月以内の期間に行われた場合 1,000単位/月(新設)

認知症短期集中リハビリテーションの充実(通所リハ)

認知症の状態に合わせた効果的な方法や介入頻度・時間を選択できる新たな報酬体系を追加。

認知症短期集中リハビリテーション実施加算 240単位/日

認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ) 240単位/日

認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)(新設) 1,920単位/月

【訪問リハビリ・通所リハビリ】

社会参加を維持できるサービス等へ移行する体制の評価(訪問リハ・通所リハ共通)

リハビリテーションにおいて、社会参加が維持できるサービス等に移行するなど、質の高い通所・ 訪問リハビリテーションを提供する事業所の体制を評価。

訪問リハビリテーション:社会参加支援加算:17単位/日(新設)

通所リハビリテーション:社会参加支援加算:12単位/日(新設)

【訪問リハビリ・通所リハビリ】

リハビリテーションマネジメントの強化(訪問リハ・通所リハ共通)

リハビリテーション計画の策定や活用等のプロセス管理の充実、介護支援専門員や他のサービス事業所を交えた「リハビリテーション会議」の実施と情報共有の仕組みの充実を評価。

【訪問リハビリ】

基本報酬のリハビリテーションマネ ジメント相当分

訪問介護との連携加算 300単位/回(3月に1回を限度)

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ) (新設) 60単位/月

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ) (新設) 150単位/月

【通所リハビリ】

リハビリテーションマネジメント加算 230単位/月

訪問指導等加算 550単位/回(1月1回を限度)

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ) 230単位/月

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ) (新設)

開始月から6月以内 1,020単位/月 開始月から6月超 700単位/月

【訪問リハビリ】

報酬の体系化・適正化と運営の効率化

訪問リハビリテーションにおける身体機能の回復を目的とした短期集中リハビリテーション実施加 算について、早期かつ集中的な介入を行う部分の評価を平準化し、見直す。

退院(所)日又は認定日から起算して 1月以内 340単位/日

退院(所)日又は認定日から起算して 1月超3月以内 200単位/日

退院(所)日又は認定日から起算して 3月以内 200単位/日

【訪問リハビリ】

訪問看護ステーションにおけるリハビリテーションの見直し

訪問看護ステーションからの理学療法士等の訪問と、訪問リハビリテーションのサービス提供実態 について、利用者の年齢や性別、要介護度、プログラム内容等が類似であることを踏まえて、基本 的な報酬の整合を図る。

訪問リハビリも理学療法士等による訪問看護も統一 302単位/回

【訪問リハビリ・通所リハビリ】

訪問リハ及び通所リハを同一事業者が提供する場合の運営の効率化

訪問・通所リハビリテーションの両サービスを、同一事業者が提供する場合の運営の効率化を推 進するため、リハビリテーション計画、リハビリテーションに関する利用者等の同意書、サービス実 施状況の診療記録への記載等を効果的・効率的に実施できるよう見直す。(運営基準事項)

【通所リハビリ(まとめ)】

【訪問リハビリ(まとめ)】

リハビリテーションマネジメント

リハビリ会議の活用

通所・訪問リハビリテーションで開催するリハビリテーションカンファレンスの場を活用し、介護支援専門員や各居宅サービス事業所のスタッフ等がその場に参加、当該利用者に関する方針や目標、計画を検討、共有してはどうか?

また、効率的・効果的な情報共有できるように介護支援専門員の居宅サービス関連書式の書式とできるだけ共通とし、情報の共有が容易になるよう工夫してはどうか?

地域包括ケア時代のリハビリテーション

これからは、今まで以上に社会参加を視野に入れたリハビリテーションの展開が重要になる

リハビリテーションが担える役割

総合事業へのサービス移行へのリハビリ専門職の役割

総合事業への移行により住民主体の地域づくりを推進。住民主体のサービス利用を拡充し、効率的に事業所を実施。

機能が強化された新しい総合事業を利用することで、支援を必要とする高齢者が要支援認定を受けなくても地域で暮らせる社会を実現。

リハビリ専門職等が積極的に関与しケアマネジメントを機能強化。重度化予防をこれまで以上に推進。

制度見直し後の限られた予算でリハ職等が積極的に関与し元気な高齢者を増やしていく

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