リハビリ

訪問リハビリからのリハビリと訪問看護からのリハビリの違い

訪問リハビリと訪問看護ステーションからのリハビリの違いって説明できますか?

訪問リハビリテーションで働いていても、訪問看護ステーションで働いていてもその違いをしっかりと説明できる人は少ないと思います。

ということは、ケアマネージャーさんやその他の分野で働くリハビリ専門職、または他の専門職、そして利用者さんやご家族さんは余計に分からないことだと思います。

訪問リハビリからのリハビリと訪問看護からのリハビリの違いについて説明していきます。

なぜ、訪問リハビリと訪問看護からのリハビリの違いを理解する必要があるか?

訪問リハビリテーションでも、訪問看護ステーションからのリハビリでも同じ理学療法士等がリハビリをするから一緒であると考えることが普通だと思います。

しかし、しっかりと違いを理解する必要があると私は思います。

そのポイントはこの4点です。

  1. サービス提供の対象
  2. 国の方針
  3. 利用者の負担
  4. 事業所の運営

サービス提供者として、利用者として、経営者として、行政として…。

立場は様々ですので色々な見方ができますが、しっかりと理解すれば役に立つことも多いと思います。

訪問リハビリテーションと訪問看護からのリハビリの違いについて理解をして各々自身の置かれている状況に合わせて対応していただければ幸いです。

普段から訪問リハビリからのリハビリと訪問看護からのリハビリの違いを聞かれる

普段、訪問リハビリの理学療法士として働いていますと、

訪問リハビリからのリハビリと訪問看護からの(セラピストによる)リハビリは何が違うの?

という質問がケアマネージャーやリハビリ専門職からよく聞かれます。

実際、「◯◯が違う!」とはっきりとした説明はし難いです。

同じリハビリの資格を持ったセラピストが、自宅に訪問をしてリハビリをする訳ですから…。

全く違うものだ!』とは言えないと思います。

『同じところもあれば、違うこともあります!』

様々な視点での違いを説明したいと思います。

ちなみに、私は以下の訪問リハビリの方法で訪問リハビリを行ったことがある理学療法士です。

  • 訪問看護からのリハビリ(いわゆる訪問看護Ⅰ5)
  • 訪問看護からのリハビリ(医療保険の訪問看護からのリハビリ)
  • 訪問リハビリテーション(介護保険での訪問リハビリ)
  • 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料(医療保険での訪問リハビリ)

訪問看護からのリハビリでも2つに分かれています。

そして、訪問リハビリテーションでも2つに分かれています。

今回は訪問看護ステーションからの理学療法士等によるリハビリと、病院などの訪問リハビリテーションからのリハビリの2つの違いを説明していきます。

訪問リハビリと訪問看護の違い【事業所の名称】

まず、訪問リハビリと訪問看護では、制度上の『事業所の名称』が異なります。

【訪問リハビリ】

訪問リハビリテーション(病院・診療所・介護老人保健施設、介護医療院)

病院や診療所、介護老人保健施設、介護医療院から訪問リハビリを提供します。

介護保険と医療保険があります。

医療保険は在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料というもので算定します。

【訪問看護】

訪問看護(訪問看護ステーション)

訪問看護からのリハビリは、名称はリハビリテーションとはつきません。

訪問看護からのリハビリはあくまで訪問看護であるとされています。

理学療法士等による訪問看護はその訪問が看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたものである場合に看護職員の代わりに訪問させる訪問であること

厚労省HPより

ここが非常に重要なポイントです。

訪問リハビリと訪問看護の違い【基本料金】

訪問リハビリと訪問看護からのリハビリの基本料金を説明していきます。

介護保険の訪問リハビリと訪問看護の料金

 介護介護予防
訪問リハビリテーション290単位290単位
訪問看護296単位286単位

 

訪問リハビリは介護(要介護者)も介護予防(要支援者)も一緒です。

訪問看護は介護は訪問リハビリより高く、介護予防は訪問リハビリより低くなっています。

従って、訪問看護の事業所側は中重度利用者の方が利益は出やすいということです。

単位数が高いということは国からもそれを求められているということが分かります。

また、介護保険には地域区分というものがあります。

地域によって1単位の値段が異なるのです。

私が住んでいるところは田舎ですので、7級地となっています。

7級地の場合、

訪問リハビリは10.17円

訪問看護は10.21円となります。

不思議ですよね。

これは、人件費割合訪問看護は70%のサービスであり、訪問リハビリは55%のサービスである為となっています。

医療保険の訪問リハビリと訪問看護の料金

医療保険のの訪問リハビリ20分3000円
医療保険の訪問看護30分〜90分で約9000円

医療保険の訪問看護は複雑ですので「約」という表現をさせて頂いております。

この料金は事業所に入る料金で、利用者の負担は基本的に1割〜3割となっています。

訪問リハビリと訪問看護の違い【介護保険の加算(簡単に説明)】

訪問リハビリと訪問看護からのリハビリは異なるサービスですので、当然加算も異なります。

加算については、詳しく説明すると余計分かりにくくなりますので、この場では簡単に説明します。

訪問看護の加算は看護師だけにつく加算も多いですので、リハビリに該当するものをピックアップしております。

今回は介護保険についての説明です。

【訪問リハビリ】(要介護)

  • リハビリテーションマネジメント加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ
  • 短期集中リハビリテーション実施加算
  • サービス提供体制強化加算
  • 社会参加支援加算

【訪問リハビリ】(要支援)

  • リハビリテーションマネジメント加算
  • 事業所評価加算
  • サービス提供体制強化加算

【訪問看護】

  • 初回加算
  • 退院時共同指導加算
  • サービス提供体制強化加算 …等

訪問リハビリと訪問看護の違い【60分訪問減算定】

介護保険である訪問リハビリや訪問看護は『1回=20分=◯◯単位』と表記されます。

病棟のリハビリでは『1単位=20分=◯◯点』ですよね。

訪問リハビリも訪問看護(リハビリ)も原則、週に6回まで(1回=20分)と決められています。

しかし、訪問看護の場合、1日に60分(3回分)行うと、減算となってしまいます。

事業所にとってはデメリット、利用者にとってはメリットかもしれませんね。

事業所側は正しく解釈しましょう。

【訪問リハビリ】

・減算なし

例えば、1回の訪問で120分提供しても減算がありません。

【訪問看護】

・60分訪問をすると10%減算

訪問リハビリと訪問看護の違い【リハビリ指示書】

指示書の書式も異なります。

【訪問リハビリ】

・規定の用紙はなし(診療情報提供書:250点)

・院内処方の場合は算定料なし

[box class=”box28″ title=”関連記事”]【徹底解説】訪問リハビリの指示書について[/box]

【訪問看護】

・訪問看護指示書という規定のものがある(訪問看護指示書:300点)

訪問リハビリと訪問看護の違い【医師の指示期間】

訪問リハビリと訪問看護では指示期間も異なります。

【訪問リハビリ】

1~3ヶ月に1回医師から指示をもらう必要があり

【訪問看護】

1~6ヶ月に1回医師から指示をもらう必要があり

訪問リハビリと訪問看護の違い【診療の方法】

訪問リハビリと訪問看護では診療と指示の方法が異なります。

【訪問リハビリ】

訪問リハビリは事業所に医師がいます。

事業所の医師からセラピストが指示を受けてリハビリをします。

事業所の医師の診療を受けられない場合は、外部からの医師の指示のみで訪問リハビリの提供が可能ですが計画診療減算というものがあります。

詳しくはこちらの記事をお読みください。

【訪問看護】

訪問看護ステーションのからのリハビリは、そもそも事業所に医師がいませんので、外部の医療機関からの指示になります。

訪問リハビリと訪問看護の違い【看護師の訪問】

平成30年度介護報酬改定で、理学療法士等による訪問看護はあくまで訪問看護師の代わりという位置付けが明確化されました。

そして、今までリハビリ専門職だけで訪問していた場合も、訪問看護師が3ヶ月に1回訪問することとなりました。

これは訪問リハビリと異なる点ですので、しっかりと抑えておきましょう。

訪問リハビリと訪問看護の違い【難病疾患の優先度】

例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や脊髄小脳変性症などの診断を受けており、介護保険の認定を受けている利用者さんがいるとします。

その方が訪問リハビリを行うと、介護保険となりますが、訪問看護からのリハビリを行うと、医療保険となります。

少し不思議な話ですよね。

【訪問リハビリ】

介護保険の認定を受けている場合、介護保険が優先となる

【訪問看護】

疾患によって介護保険の認定を受けていた場合も医療保険が優先となる

訪問リハビリと訪問看護の違い【特定疾患医療費助成制度】

特定疾患医療費助成制度というものを利用すると、訪問リハビリや訪問看護からのリハビリで助成せれることがあります。

詳しくはこちらの記事をご参照ください。

例えば、パーキンソン病関連疾患の場合は、訪問リハビリでは介護保険、訪問看護では医療保険で利用となります。

しかし、黄色靭帯骨化症やモヤモヤ病などでは訪問リハビリでも訪問看護でも介護保険での利用となります。

非常に複雑ですが、訪問リハビリサービス(訪問リハビリ・訪問看護)で働く理学療法士等はしっかりと覚えておく必要があります。

訪問リハビリと訪問看護【対象者の違い】

訪問リハビリと訪問看護では対象者も異なります。

対象者というより、制度上提供可能かどうかが異なると言った方が良いですね。

訪問リハビリ

介護保険の訪問リハビリは介護保険を持っている人が対象になります。

医療保険は少し複雑です。

色々と厳しい条件があります。

詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。

訪問看護

訪問看護は疾患や年齢等によって介護保険が適応になるか、医療保険が適応になるかが決まりますが、基本的に介護保険を持っていない方ですと、訪問看護ステーションからのリハビリの方が使い易いと思います。

ただし、医師が必要と認めた場合です。

訪問リハビリと訪問看護の違い【国の方針】

国の方針=料金が高いと考えてみます。

訪問リハビリ

訪問リハビリでは、短期集中リハビリテーション実施加算という大きな加算がある為、介護保険初認定や退院後3ヶ月以内が料金が高くなります。

そして、介護予防の分野でも訪問リハビリは平成30年度介護報酬改定において料金が上がり、訪問看護とも差が生まれました。

さらには事業所の医師としっかり連携をとることで料金が減算しないというシステムがあるため、事業所の医師としっかりと連携することが求められています。

訪問看護

訪問看護は平成30年度介護報酬改定において介護予防と要介護者との料金に差が生まれました。

そして、医療保険の分野は相変わらず高くなっています。

事業所側としては中重度の利用者に力を入れていく必要がありますね。

また、看護師としっかりと連携を図ることが求められています。

看護師と連携をしっかり行い、ケアをしていくことが大切になっているようです。

訪問リハビリと訪問看護の違い【まとめ】

ご自宅に訪問して訪問リハビリを行うサービスは色々あります。

  • 訪問リハビリ(介護保険)
  • 訪問リハビリ(医療保険)
  • 訪問看護のリハビリ(介護保険)
  • 訪問看護のリハビリ(医療保険)

全てのサービスを正しく制度を理解し、上手に利用しましょう!

ABOUT ME
杉浦 良介
静岡県出身・在住の理学療法士(PT)です。 訪問リハビリの分野が大好きです。 人と人を繋ぐ理学療法士を目指しています。 訪問リハビリが好きな人・訪問リハビリについて知りたい人・繋がりたい人・悩んでいる一般の人…ドシドシお問合せ下さい! 相談は有料です。 リアル&オンラインサロンでは無料となっております。 個別コンサルも行なっております。 まずはお問い合わせから連絡をお願いいたします。 Twitter・Facebookのフォローもどうぞよろしくお願いします。