リハビリ

訪問リハビリ・訪問看護の様々な併用問題に対する解説

『○○と△△は併用が可能か?』という問題は日頃の業務上、ケアマネージャーなどからも良く聞かれ、調べる方も多いと思います。

そのような皆様の為に訪問リハビリと訪問看護の併用問題について解説します。

詳しく解説している別の記事もありますので、リンク先の記事を参考にしてください。

訪問リハビリと訪問看護の併用問題

概ね問題となるのは以下の項目だと思います。

  1. 訪問リハビリと訪問看護Ⅰ3(看護師)の併用
  2. 訪問リハビリと訪問看護Ⅰ5(リハビリ)の併用
  3. 訪問リハビリ・訪問看護Ⅰ5(リハビリ)と通所リハビリ(デイケア)や通所介護(デイサービス)の併用
  4. 訪問リハビリ・訪問看護Ⅰ5(リハビリ)と小規模多機能型居宅介護の併用
  5. 訪問看護Ⅰ5(リハビリ)とショートステイの併用
  6. 複数の訪問リハビリ事業所の併用
  7. 複数の訪問看護ステーション(リハビリ)の併用
  8. 訪問リハビリ・訪問看護Ⅰ5(リハビリ)と外来リハビリの併用
  9. 訪問リハビリ・訪問看護Ⅰ5(リハビリ)とグループホームの併用
  10. 介護保険の訪問リハビリと医療保険の訪問リハビリの併用
  11. 訪問リハビリと訪問看護の同日算定・利用
  12. 訪問リハビリ・訪問看護と訪問診療の同日算定・利用
  13. 訪問リハビリや訪問看護と医療保険適用病床の入院患者の外泊中のサービスの併用

順番に解説していきます。

訪問リハビリと訪問看護(看護師)の併用

結論:併用可能です。

訪問リハビリと訪問看護(看護師)は別のサービスです。

居宅サービス計画書(ケアプラン)に位置づけられていれば可能です。

従って、介護保険の訪問リハビリと介護保険の訪問看護Ⅰ3(看護師)の併用は可能です。

また、医療の訪問看護(看護師)と訪問リハビリとの併用も可能です。

例えば、パーキンソン病関連疾患の場合について考えてみましょう。

訪問リハビリと訪問看護(看護師)の2つの事業所がサービス提供している場合、訪問リハビリは介護保険が優先となり、訪問看護(看護師)は医療保険が優先となります。

この場合も併用が可能です。

両者ともに特定疾患医療費助成制度が利用できます。

特定疾患医療費助成制度を訪問リハの視点から分かり易く解説

訪問リハビリと訪問看護15(リハビリ)の併用

結論:制度上は併用可能です。

訪問リハビリと訪問看護Ⅰ5(リハビリ)はサービスの種類が異なります。

しかし、実際内容はほとんど一緒です。

平成30年度の介護報酬改定にて少し明確化はされましたが、大きくは変わりがないと思います。

また、訪問リハビリと訪問看護(リハビリ)は両方とも原則、週6回まで(120分間)という制限があります。

【解説】訪問リハビリと訪問看護(リハビリ)の回数制限

その為、併用すると240分間可能?というよく分からないことが起きます。

制度上は可能ですが、医師がリハビリテーションの必要性を判断し指示を出し、居宅サービス計画書(ケアプラン)に位置づけられているということが大切です。

例えば、最初に訪問リハビリから理学療法士や作業療法士が訪問リハビリを提供しており、そのあとに言語聴覚士の訪問リハビリが必要になり、訪問看護からのリハビリである訪問看護Ⅰ5のサービスが提供されることは考えられますね。

その時もしっかりとケアプランに位置付けられていることが大切になると思います。

訪問リハビリ・訪問看護(リハビリ)と通所リハビリ(デイケア)や通所介護(デイサービス)の併用

結論:制度上は併用可能です。

訪問リハビリでも訪問看護からのリハビリでも通所リハビリ(デイケア)や通所介護(デイサービス)の併用は可能です。

大切なことはケアプランにしっかりと位置付けられているかという点です。

もし、訪問リハビリと通所リハビリを併用している利用者さんがおりましたら、「何のために訪問リハビリを利用しているのか?」「何のために通所リハビリを利用しているのか?」それを明確に説明できるのであれば併用しても可能と考えれば良いと思います。

訪問看護と通所リハビリ(デイケア)・通所介護(デイサービス)の場合も同様です。

訪問リハビリと通所リハビリの併用問題の詳細に関しましてはこちらの記事を参考にしてみてください。

訪問リハビリと通所リハビリは併用できるのか?

訪問リハビリ・訪問看護(リハビリ)と小規模多機能型居宅介護の併用

結論:制度上は併用可能です。

小規模多機能型居宅介護とは通所介護(デイサービス)や訪問介護、短期入所(ショートステイ)が一体化したサービスです。

併用は可能ですが、サービスの時間が重ならないことが条件です。

したがって、短期入所(ショートステイ)中の訪問リハビリ・訪問看護(リハビリ)の利用は不可能となります。

【解説】訪問リハビリと小規模多機能型居宅介護の併用

看護小規模多機能型居宅介護って何?分かり易く詳しく解説

訪問看護(リハビリ)とショートステイの併用

結論:ショートステイ利用中の訪問看護(リハビリ)の併用は不可能です。

小規模多機能型居宅介護と同様に短期入所生活介護(ショートステイ)とサービスの時間が重ならないことが条件です。

では、短期入所(ショートステイ)する日、または短期入所(ショートステイ)から帰った日はサービスの利用は可能なのか?という問題も生まれてくると思います。

結論:介護保険では短期入所(ショートステイ)の入所日、短期入所(ショートステイ)の退所日も算定可能です。医療保険でも入所・入院日は算定可能ですが、例外もあるので注意しましょう。

Q:短期入所生活介護(特別養護老人ホーム)、短期入所療養介護(介護老人保健施設)、医療機関の入所・入院日、退所・退院日に訪問看護は算定できますか?

A:介護保険では入所・入院日は算定できます。短期入所生活介護の場合は、退所日の算定もできます。短期入所療養介護および医療機関からの退所・退院の場合は特別管理加算を算定している利用者のみ算定可能です。医療保険では退所・退院日は基本療養費を算定できないので、基準告示第2の7に規定する状態等にある利用者については退院日に訪問した場合、初日の訪問日に退院支援指導加算を算定します。医療保険でも入所・入院日は算定できます。

参考資料:事業所に1冊あった方が良い本です。

複数の訪問リハビリ事業所の併用

結論:制度上は併用可能です。

主治・事業所の医師の指示があり、尚且つ、利用中の事業所の都合で他の事業所に依頼せざるを得ないのであれば、複数の事業所の併用は可能です。

訪問リハビリの診療・指示書についてはこちらの記事を参考にしてみてください。

【徹底解説】訪問リハビリの二重診療・二重診察問題

【徹底解説】訪問リハビリの指示書について

複数の訪問看護ステーション(リハビリ)の併用

結論:制度上は併用可能です。(介護保険の場合)

2つだけではなく、状況に応じて3つの事業所を利用することもできます。

例えば、ST(言語聴覚士)がいない事業所等だと可能性はあると思います。

同じ主治医からの指示書が各事業所必要なります。

また、事業所間連携も必ずしなければいけません。

平成30年度の介護報酬改定で訪問看護ステーションからのリハビリは看護師との連携も必要になりました。

訪問看護ステーションから理学療法士等によるリハビリを提供している場合には、概ね3ヶ月に1回看護師が訪問する必要があります。

例えば2、3の訪問看護ステーションのリハビリを併用している場合は色々な看護師さんが来るという問題、そしてそこから連携をどのように行っていくかの問題も生じますので利用者さん側もサービス提供側も少し混乱してしまう可能性もあります。

このことを考えますと、なるべく一つの訪問看護ステーションに統一できると理想かもしれませんね。

訪問看護指示書の問題もありますので注意が必要です。

Q.2ヶ所以上の訪問看護ステーションを利用する場合の医師の指示書について

A.2ヶ所以上の訪問看護数ステーションからの訪問看護を利用する場合は、医師の指示書が各訪問看護ステーションごとに交付される必要がある。ただし、訪問看護指示料は1人1月1回の算定となる。

Q.医療保険の給付対象である訪問看護では、週3日の回数制限や2カ所以上のステーションから訪問看護を受けられない等の制限があるが、介護保険においてはこうした制限はあるか

A.介護保険の給付対象となる訪問看護については、週あたりの訪問回数に特段の制限はなく、又、2カ所のステーションから訪問看護の提供を受けることも可能である。

Q.一つの訪問看護事業所の利用者が、新たに別の訪問看護事業所の利用を開始した場合に、別の訪問看護事業所において初回加算を算定できるのか。

A.算定可能である。

平成30年度介護報酬改定後から1ヶ月経過した訪問看護ステーションからのリハビリの現状 etc…

訪問リハビリ・訪問看護(リハビリ)と外来リハビリの併用

結論:訪問リハビリは原則禁止、訪問看護(リハビリ)は制度上は併用可能

訪問リハビリ

リハビリテ-ションにおける医療保険と介護保険の併用の原則禁止です。

ただし、リハビリの対象となる診断名が違えば併用禁止事項には抵触しませんが医師の明確な指示が必要です。

また、退院後1ヶ月間に限れば医療保険と介護保険の併用は可能です。

訪問看護(リハビリ)

訪問看護のリハビリ(Ⅰ5)は算定上、訪問看護になります。

以下、参照

厚労省19.6.1事務連絡(保険局医療課)疑義解釈資料の送付について(その8)
Q.介護保険における通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション、介護予防訪問リハビリテーション又は介護予防通所リハビリテーション以外の介護サービスを受けている者であれば、疾患別リハビリテーション料又は疾患別リハビリテーション医学管理料を算定できると考えてよいか。
(例)通所介護の「個別機能訓練加算」、訪問看護ステーションにおいて看護職員に代わり理学療法士又は作業療法士が行う訪問看護等

A.そのとおり

訪問リハビリ・訪問看護(リハビリ)とグループホームの併用

結論:訪問リハビリとグループホームは併用不可能です。

これは制度上の問題です。

しかし、リハビリテーションという大きな考えですと色々な考え方ができます。

そして、理学療法士等のリハビリ専門職が関わることの可能性がゼロではありません。

詳しくはこちらの記事をお読みください。

【解説】グループホームに訪問リハビリは行けるのか?

介護保険の訪問リハビリと医療保険の訪問リハビリの併用

結論:介護保険の訪問リハビリと医療保険の訪問リハビリは併用不可能です。

訪問リハビリテーションというサービスは、介護保険認定者かそうでないかでサービスの種類が異なります。

介護保険認定者の場合は介護保険の訪問リハビリが優先となり、医療保険の訪問リハビリは利用できません。

医療保険の訪問リハビリの利用できる条件として、「介護保険の認定者ではない」ということが含まれているため、併用は困難です。

詳しくはこちらの記事で解説してあります。

【徹底解説】医療保険の訪問リハビリ

訪問リハビリと訪問看護の同日算定・利用

結論:訪問リハビリと訪問看護の同日算定・利用は可能です。

サービスの時間が重ならなければ併用が可能となります。

訪問リハビリ・訪問看護と訪問診療の同日算定・利用

結論:訪問リハビリ・訪問看護と訪問診療の同日算定・利用は可能です。

※「特別な関係」の医療機関と訪問看護ステーションの場合、同一患者への訪問診療と医療保険の訪問看護は、同日算定ができません。

※訪問看護の後の急変による往診は算定可能です。また、特別訪問看護指示期間と退院後1ヶ月は算定可能です。

Q.午前中に「訪問診療」を実施し、午後に「訪問看護」及び「訪問リハビリ」を行った場合に、医療保険と介護保険それぞれに請求を行うことが可能か。

A.医療保険による訪問診療と介護保険による訪問看護(要介護者、要支援者に行われる訪問看護は癌末期、神経難病など一定の疾病の状態にある場合や急性増悪等の場合を除き、介護保険からの給付となる)、訪問リハビリが別の時間帯に別のサービスとして行われる場合、それぞれが算定できる。

Q.医療保険による訪問診療を算定した日において、介護保険による訪問看護、訪問リハビリテーションを行った場合、医療保険と介護保険についてそれぞれ算定できるか。

A.医療保険による訪問診療を算定した日において、介護保険による訪問看護、訪問リハビリテーションが別の時間帯に別のサービスとして行われる場合に限りそれぞれ算定できる。

訪問リハビリや訪問看護と医療保険適用病床の入院患者の外泊中のサービスの併用

結論:訪問リハビリや訪問看護と医療保険適用病床の入院患者の外泊中のサービス(訪問リハビリサービス)の併用は不可能

Q.医療保険適用病床の入院患者が外泊中に介護保険による訪問看護、訪問リハビリテーションを算定できるか。

A.医療保険適用病床の入院患者が外泊中に受けた訪問サービスは介護保険による算定はできないため、ご指摘の場合は算定できない。

訪問リハビリと訪問看護の様々な併用問題のまとめ

訪問リハビリテーションという大きな枠組みでは様々な方法でサービスを行うことができます。

・訪問看護Ⅰ5(訪問看護ステーション)介護保険
・訪問リハビリ1,2(訪問リハビリ事業所)介護保険
・訪問看護基本療養費Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ(訪問看護ステーション)医療保険
・在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料(病院)医療保険

他にもあります。

しっかりと制度を正しく理解した上で適切なサービスを提供できるようにしていく必要がありますね。

『訪問リハビリの制度を正しく理解して、自分の理想のリハビリや事業所運営に活かす方法』

ABOUT ME
杉浦 良介
静岡県出身・在住の理学療法士(PT)です。 訪問リハビリの分野が大好きです。 人と人を繋ぐ理学療法士を目指しています。 訪問リハビリが好きな人・訪問リハビリについて知りたい人・繋がりたい人・悩んでいる一般の人…ドシドシお問合せ下さい! 相談されると喜んで返信します(笑) まずはお問い合わせから連絡をお願いいたします。 Twitter・Facebookのフォローもどうぞよろしくお願いします。