地域包括支援センターの役割と知っておきたい知識

地域包括支援センターをご存知でしょうか?

地域包括支援センターという言葉を知っている人は多いと思います。

しかし、実際どんなことをしているのか?

知らない人も多いと思います。

地域包括支援センターについて説明していきます。

なお、内容に関しては厚生労働省HPより引用させて頂いております。

地域包括支援センターとは?

地域包括支援センターは、地域の高齢者の総合相談、権利擁護や地域の支援体制づくり、介護予防の必要な援助などを行い、高齢者の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とし、地域包括ケア実現に向けた中核的な機関として市町村が設置しています。【介護保険法第115条の46第1項】

簡単に説明すると、地域のなんでも相談窓口です。

実際に様々な相談が毎日あるようです。

平成26年末時点で、全国で約4557か所設置されています。

支所を含めると7200か所以上あります。

そのほとんどが委託されています。

平成24年度老健事業「地域包括支援センターにおける業務実態に関する調査研究事業報告書」によると、70.3%が委託で、直営は29.9%のみとなっています。

平成18年では委託が63.2%でしたが、徐々に委託が増加している傾向があります。

委託の割合は社会福祉法人が一番多く53.3%、社会福祉協議会が19%、医療法人が16%…となっています。

地域包括支援センターにいる職種

基本的には、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員がチームを組んで住民の幅広い相談を受けています。

地域包括支援センターにいる職員数の平均は約5.9人です(H26年調査)

職種別ですと、35%が主任介護支援専門員、27%が社会福祉士、26%が保健師となっています。

その他の12%の中は介護支援専門員が大半を占めています。

ちなみに12%のうち、0.8%が理学療法士、0.4%が作業療法士となっています。

これからリハビリ専門職も活躍していって欲しいと思います。

ただ資格をもっているだけではいけません。市町村機能の一部として地域の最前線に立つ存在である為、優秀の人である必要があります。

地域包括支援センターの設置基準

設置主体

市町村(特別区、一部事務組合、広域連合等を含む。)

または市町村から委託を受けた法人となっています。

人員配置基準

配置基準は、事業が円滑に実施できるよう、1人以上の必要数を配置しなければならないとされています。

次のいずれかの要件を満たすもので、都道府県が実施する介護予防支援に関する研修を受講する等必要な知識及び能力を有する者を充てる必要があります。

①保健師 ②介護支援専門員 ③社会福祉士 ④経験ある看護師 ⑤高齢者保健福祉に関する相談業務等に3年以上従事した社会福祉主事

高齢化の進展、それに伴う相談件数の増加等を勘案し、包括支援センターに対する人員体制を業務量に応じて適切に配置すること。

さらに、今後、現在の業務に加え、地域ケア会議の推進、在宅医療・介護の連携強化、認知症施策の推進を図る中で、それぞれの包括支援センターの役割に応じた人員体制の強化を図ることが必要とされてきています。

地域包括支援センターの業務

包括的支援事業

包括支援センターは、基本的な目的に沿って、地域住民の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援するため、以下の①~③の業務のほか、第1号介護予防支援事業を一体的に実施することになっています。

①総合相談支援業務

総合相談支援業務とは、地域の高齢者が住み慣れた地域で安心してその人らしい生活を継続していくことができるよう、どのような支援が必要かを把握し、地域における適切な保健・医療・福祉サービス、機関又は制度の利用につなげる等の支援を行うものです。

②権利擁護業務

権利擁護業務は、地域の住民や民生委員、介護支援専門員などの支援だけでは十分に問題が解決できない、適切なサービス等につながる方法が見つからない等の困難な状況にある高齢者が、地域において、安心して尊厳のある生活を行うことができるよう、専門的・継続的な視点からの支援を行うものです。

③包括的・継続的ケアマネジメント支援業務

包括的・継続的ケアマネジメント支援業務は、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、介護支援専門員、主治医、地域の関係機関等の連携、在宅と施設の連携など、地域において、多職種相互の協働等により連携するとともに、介護予防ケアマネジメント、指定介護予防支援及び介護給付におけるケアマネジメントとの相互の連携を図ることにより、個々の高齢者の状況や変化に応じた包括的・継続的なケアマネジメントを実現するため、地域における連携・協働の体制づくりや個々の介護支援専門員に対する支援等を行うものです。

①~③の業務とは別に、市町村が取り組む以下の④~⑥の事業の全部又はその一部についてもセンターに委託することが可能となっています。

④在宅医療・介護連携推進事業

⑤生活支援体制整備事業

⑥認知症総合支援事業

多職種協働による地域包括支援ネットワークの構築

包括的支援事業を効果的に実施するためには、介護サービスに限らず、地域の保健・福祉・医療サービスやボランティア活動、インフォーマルサービスなどの様々な社会的資源が有機的に連携することができる環境整備を行うことが重要であり、こうした連携体制を支える共通的基盤として多職種協働による「地域包括支援ネットワーク」を構築することが必要とされています。

地域ケア会議の実施

市町村は、包括的・継続的ケアマネジメント業務の効果的な実施のために、介護支援専門員、保健医療及び福祉に関する専門的知識を有する者、民生委員その他の関係者、関係機関及び 関係団体により構成される会議(地域ケア会議)の設置に努めなければならないこととされています。

地域ケア会議の目的

地域ケア会議の目的は以下の通りです。

1)個別ケースの支援内容の検討を通じた、

(ⅰ)地域の介護支援専門員の、法の理念に基づいた高齢者の自立支援に資するケアマネジメントの支援

(ⅱ)高齢者の実態把握や課題解決のための地域包括支援ネットワークの構築

(ⅲ)個別ケースの課題分析等を行うことによる地域課題の把握

2)地域づくり、資源開発並びに政策形成など、地域の実情に応じて必要と認められる事項

地域ケア会議の機能

地域ケア会議に求められている機能は以下の通りです。

1)個別課題の解決 多職種が協働して個別ケースの支援内容を検討することによって、高齢者の課題解決を支援するとともに、介護支援専門員の自立支援に資するケアマネジメントの実践力を高める機能

2)地域包括支援ネットワークの構築 高齢者の実態把握や課題解決を図るため、地域の関係機関等の相互の連携を高め地域包括支援ネットワークを構築する機能

3)地域課題の発見 個別ケースの課題分析等を積み重ねることにより、地域に共通した課題を浮き彫りにする機能

4)地域づくり・資源開発 インフォーマルサービスや地域の見守りネットワークなど、地域で必要な資源を開発する機能

5)政策の形成 地域に必要な取組を明らかにし、政策を立案・提言していく機能

地域ケア会議を活用した地域包括ケアシステムの実現

地域包括ケア会議は、高齢者に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備とを同時に進めていく、地域包括ケアシステムの実現に向けた手法です。

地域包括支援センターが中心に主催し、

①医療と介護等の多職種が協働して高齢者の個別課題の解決を図るとともに、介護支援専門員の自立支援に資するケアマネジメントの実践力を高めること

②個別ケースの課題分析等を積み重ねることにより、地域に共通した課題を明確化すること

③共有された地域課題の解決に必要な資源開発や地域づくり、さらには介護保険事業計画への反映などの政策形成につなげること

を目指し、その先にある地域包括ケアシステムの実現を目指しています。

指定介護予防支援

指定介護予防支援は、介護保険における予防給付の対象となる要支援者が介護予防サービス等の適切な利用等を行うことができるよう、その心身の状況、その置かれている環境等を勘案し、介護予防サービス計画を作成するとともに、当該介護予防サービス計画に基づく指定介護予防サービス等の提供が確保されるよう、介護予防サービス事業者等の関係機関との連絡調整などを行うものです。

その他

包括支援センターは、上述した

『包括的支援事業』

『多職種協働による地域包括支援ネットワークの構築』

『地域ケア会議の実施』

『指定介護予防支援』

の業務を実施するほか、

①第一号介護予防支援事業(居宅要支援被保険者に係るものに限る。)

②一般介護予防事業

③任意事業

の委託を受けることができることとされています。

また、包括支援センターは、必ずしも24時間体制を採る必要はありませんが、緊急時の対応等の場合も想定し、センターの職員に対して速やかに連絡が取れるような体制を整備しておくことが必要であります。

まとめ

包括支援センターについて何となく理解が深まりましたでしょうか?

とにかく、何でも屋さんです。

本当にすごい業務だと思います。

包括支援センターで働く人たちは自身の分野だけでなく、様々なことに対応できる能力を有していなければいけません。

地域の人にとっても、医療介護職にとっても『困ったら包括』ですので…。

医療介護の世界で働いているとその専門性ばかりに目がいってしまう傾向があります。

地域包括ケアシステムの構築には、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが大切です。

包括支援センターの方たちは、個としてもみて、地域としてもみてくれています。

『個で向き合い、広い視野でもみる』

このような考え方は非常に大切になると思います。

確かに、包括支援センターの方々は地域のまとめ役だと思います。

しかし、各地域といっても非常に広いです。

全てを上手くまとめることはどんなに優秀な人でも困難です。

包括支援センターは地域全体の声を聞き、地域をより良いものにしていく為に動いてくれています。

現場レベルの『個』の質の向上、それが地域力の向上に繋がっていくのだと思います。

包括支援センターの仕事が減り、さらに良い方向に動かしてもらえるように、現場レベルでの解決を図っていくことも非常に大切になるのではないかと思います。

ぜひ、『個』で向き合い、『広い視野』でも考えることを実践してみてください。

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