H29.6.7介護給付費分科会の訪問リハビリの現状についての個人的な意見

平成29年6月7日に平成30年度医療介護同時改定に向けての介護給付費分科会が実施されました。

訪問リハビリの現場で働いている理学療法士として、訪問リハビリの現状に対する意見を述べていこうと思います。

個人的な意見(解釈)が強く出ている記事だと思います。

気楽に読んで頂ければ幸いです。

また、今後の訪問リハビリについて意見を交わすことができたら非常に嬉しいので、意見があればコメントを頂けると幸いです。

訪問リハビリの費用額

訪問リハビリの公費負担および、利用者の負担額は年々著しく増加しております。

平成27年度の訪問リハビリにおける年間の合計は

介護サービスは34,578百万円介護予防サービスでは4,665百万円です。

すごいと思いますよね。

しかし、平成27年度の全体の合計は

介護サービスは9,012,344百万円

介護予防サービスは502,459百万円

なのです。

訪問リハビリは全体の僅かです。

だからあまり目をつけられないのでしょう。

とにかく、要介護者が増加して、需要が増加しているということは事実です。

その為、事業所数も増加しています。

訪問リハビリ利用者数別事業所分布

これは、各事業所にどのくらい利用者がいるか?

というグラフです。

この結果を見る限り、訪問リハビリは少ない規模で行っていることが分かります。

みなし指定で少しだけやっているという事業所も多いようですね。

訪問リハビリの利用者の年齢構成

訪問リハビリにおける利用者の年齢層はこのようになっています。

想定内といったところではないでしょうか?

訪問看護とは違い、39歳以下の利用者様がいないということが大きな訪問看護との違いだと思います。

39歳以下の障害児および障害者をどう支援していくか?

大きな課題になりそうですね。

訪問リハビリと訪問看護Ⅰ5の算定回数

このグラフは訪問リハビリと訪問看護Ⅰ5の算定回数の推移を表したものです。

これは面白いグラフですよね。

平成24年度の介護報酬改定で訪問リハビリが二重診察問題が厳しくなりました。

その要因もあり、急激に訪問看護からのリハビリが増えています。

移行した事業所も多いのではないでしょうか?

その後も訪問看護は著しい増加をみせています。

平成27年度介護報酬改定おいて訪問リハビリの二重診察問題が緩和されて、料金体制が訪問看護のリハビリを上回っても、あまり影響はなかったようですね。

訪問看護のリハビリは書類面においても、医療保険を含めた対象者をみても使い易いサービスだと思います。

訪問リハビリの職種別訪問回数

このグラフは職種別の訪問回数を示しています。

有資格者の数も影響があるとは思いますが、非常に多くの理学療法士が訪問リハビリの現場で活躍されているのが一目瞭然ですね。

作業療法士や言語聴覚士の不足はどの地域においても課題なのかもしれません。

訪問リハビリの1回あたりの訪問回数

これは職種別の1回あたりの訪問回数を示したグラフです。

どの職種も1回40分間の訪問リハビリをやっているところが多いようです。

一つ注目したいところは、要支援者に対する言語聴覚士の関わりです。

他の職種と異なり、長い時間の提供をしている傾向があります。

訪問リハビリの利用期間

このグラフは訪問リハビリを利用開始してからどのくらいの期間利用を続けているか?というグラフです。

半年以上続けている方がほとんどですね。

しかも、平均値が758.2日です。

平均2年利用を続けているということです。

なかなかやめられないのか?

意味もなく続けているのか?

稼ぐために続けているのか?

少し疑問に感じます。

訪問リハビリでこの数値なので、おそらく訪問看護ではもっとすごい利用期間になっていることと思われます。

訪問リハビリと併用しているサービス

訪問リハビリと併用しているサービスの種類のグラフです。

様々なサービスと併用していることが分かります。

平成27年度介護報酬改定で通所リハビリと訪問リハビリの併用が効率良くできるように変わりましたが、通所リハビリと訪問リハビリの併用が少ないことが少し疑問に感じますね。

様々なサービスの併用問題に関してはこの記事も見て頂けたら有り難いです。

訪問リハビリ・訪問看護の様々な併用問題に対する解説

訪問リハビリと通所リハビリは併用できるのか?

訪問リハビリ終了者の利用期間および転帰

このグラフは訪問リハビリを終了者がどのくらいサービスを利用したのか、また、終了後どのようなサービスを利用したかが示されています。

要介護と要支援との大きな違いは、要介護者は死亡が多く、要支援者はサービスを利用しない卒業が多いということがみられます。

また卒業するほとんどが1年未満の短期間の利用で、利用期間が長くなるにつれて終了し難い傾向があることも分かります。

訪問リハビリへの依存ということも一つの課題であると思います。

サービス開始時にしっかりとアセスメントし、ゴール設定をして、『○○が達成できたら卒業』と決めてサービスを開始することが一番良いのではないかと思います。

これは訪問リハビリの長期目標達成後に予定しているサービスのグラフです。

要介護3~5の中重度者に関しては訪問リハビリを継続という考えが多いようですね。

継続することは良いかもしれませんが、何を目的に関わるのか?それはリハビリ職でなくてはできないのか?をしっかりと考える必要があると思います。

退院後の訪問リハビリ

今回、平成30年度介護報酬改定の論点に挙がっている問題です。

以下は、退院後に訪問リハビリを利用開始までの期間を示したものです。

退院後、訪問リハビリを利用するまでに2週間以上かかってる方が32%もいることになっています。

以下のグラフは訪問リハビリの利用開始時期と開始後のADL向上の比較をしたものです。

このデータによると、退院後2週間以内に訪問リハビリを開始するとADLの向上が優位に現れています。

しかし、先ほどのデータでは、32%が退院後2週間移行に訪問リハビリを開始しています。

早期かつ集中的な訪問リハビリは非常に有効だと考えております。

ぜひ、退院後、早期かつ集中的に訪問リハビリが導入できる体制を構築していってもらいたいですね。

訪問リハビリの現場で働いている私の意見としましては、退院後2週間移行に訪問リハビリを開始した理由は大きく2点あると思います。

まず、指示書が間に合わない。ケアマネとの連携ができていない。

つぎに、退院後2週間経過してから訪問リハビリの必要性を感じた。

という点です。

退院後は多くの人に機能低下がみられます。

詳しくはこちらの記事に書いてありますので、興味がある方は見てみて下さい。

『入院から在宅へ』回復期リハビリの退院支援のポイント

また、『在宅で生活中に状態が悪化した場合には気づきの遅れや、原因・改善の可能性についての理解の困難性などから、リハビリテーションを適時に導入できていない状況がある』との意見が出ています。

退院後、早期的に・状態悪化時も早期的に訪問リハビリを呼んでいただきたいですね。

訪問リハビリ利用者の通院・訪問診療の状況

このグラフはどの医療機関に、通院しているか。

どの医療機関から訪問診療を受けているか。

を示したグラフです。

一目瞭然で外部の医療機関へ通院、外部の医療機関から訪問診療を受けていることが分かります。

また、60%以上の人が訪問診療を利用せず、通院をされているという状況です。

基本原則の『通院困難な人…』が薄れてきている気がします。

確かに訪問してリハビリをする必要が多いです。

非常に難しい課題ですね。

リハマネ加算の届出等の状況

リハマネ加算の届出状況は、

リハマネⅠが79.4%リハマネⅡが14.1%です。

リハマネⅡはものすごく低い数値となっています。

興味がある方はこの記事も読んでみて下さい。

訪問リハビリでのリハマネⅡは効率が悪い?

社会参加支援加算の届出等の状況

訪問リハビリの社会参加支援加算の届出は19.2%となっています。

なかなか卒業が難しい現状のようですね。

訪問リハビリにおける社会参加支援加算とは?

社会参加支援加算新設から1年経過した現状

社会参加支援加算についてはこの記事を読んでみて下さい。

平成30年度介護報酬改定の論点

現状について理解出来ましたでしょうか?

現時点(H29年6月10日)では以下のことが今後の論点として挙げられています。

訪問リハビリがより良い制度改定することを期待しています。

○ 訪問リハビリテーションの効果的・効率的な実施を促す観点から、訪問リハビリテーションの実施状況についてどのように考えるか。

○ 退院後の利用者や、状態の悪化している利用者等について、必要に応じて早期に訪問リハビリテーションが導入できるようにしていくことが重要と考えられるが、どのような方策が考えられるか。

○ 訪問リハビリテーション計画に沿ってリハビリテーションを提供していくにあたり、その質を担保・向上する観点から、訪問リハビリテーションの作成及び実施にかかる医師の関与の更なる促進についてどのように考えるか。

○ 訪問リハビリテーションの質を担保・向上する観点から、訪問リハビリテーションの実施にかかる社会参加の更なる促進についてどのように考えるか。

○ 医療と介護の連携を円滑にする観点から、医療保険・介護保険においてリハビリテーションに係る計画書等のあり方についてどう考えるか。

5 Comments

匿名

いつも更新楽しみにしています。
訪問リハビリの理学療法士です。

最近は通所介護、通所リハからのセラピストの居宅訪問が増えてきていますので、「継続して訪問する訪問リハビリ」の強みは何なのか?ということが問われているように感じています。

今後も記事更新楽しみにしております。

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WOLF

はじめまして。
コメントありがとうございます。

通所介護や通所リハビリの居宅訪問は日頃の業務から利用者様を支援する為にも非常に有り難く感じています。
通所介護や通所リハビリを併用している人に関しては『困ったことがあったらデイのセラピストが家に来てくれるから安心して』と伝え、卒業に移行するケースもあります。

訪問リハビリが『継続して訪問する強み』ですか‥‥。
その強みがなければ、近い将来に期間が設けられそうですね。
また考えてみます。

できるだけ有益な情報を配信できるように更新していきます。
また意見等ありましたら、よろしくお願いします。

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