平成30年度介護報酬改定後から1ヶ月経過した訪問看護ステーションからのリハビリの現状 etc…

訪問リハビリインタビュー8人目は古谷直弘さんです。

訪問リハビリインタビューとは何か?を知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。

訪問リハビリインタビューとは?
訪問リハビリインタビューはじめました!

古谷直弘さんのプロフィール

古谷直弘さんのプロフィールを簡単に説明させて頂きます。

Lead!!!さんのHPより引用

都内一般急性期病院で約2年間勤務。
現在訪問看護ステーションにおいてリハビリ主任として勤務。
【資格】
平成26年
理学療法士免許取得
平成28年
JAMアンチエイジングアドバイザー
NASYUインソールベーシックマイスター
平成29年
pfilates®︎認定インストラクター
国際マッケンジー協会認定セラピスト
【その他】
DNS エクササイズコースPartⅠ 修了

26歳?(笑)
「若いのにすごい」ではなく、「若いし、すごい」です。

Twitterで絡ませて頂いているのですが、訪問看護ステーションの制度の知識は一流です。

何でも知っており、正確な情報を頂けます。

詳しくはこちら
古谷さんのnote

平成30年度介護報酬及び診療報酬改定後の訪問看護ステーションの現状

そんな知識が豊富の古谷さんに私が超気になっていたことを聞きました。

:平成30年度介護報酬改定において「理学療法士等が訪問している場合、3ヶ月に1回看護師も訪問しましょう」ってなりましたよね?利用者やケアマネージャーの反応ってどうでしたか?

古谷さん:まず、利用者さんは二極化していました。①理解してくれる方、②「何で来るの?」という方がいましたね。訪問看護ステーションからのリハビリでも実際セラピストも血圧測りますし、全身状態の管理もしますので利用者さんからしたら「何で来るの?」という意見が出て来るのも当然だと思います。しかし、しっかりと看護師の訪問する必要性を説明すると全員から理解して頂くことができました。

疑義解釈
「定期的な看護職員による訪問」については、訪問看護指示書の有効期間が6月以内であることを踏まえ、少なくとも概ね3ヶ月に1回程度は当該事業所の看護職員による訪問により、利用者の状態の適切な評価を行うものとする。なお、当該事業所の看護職員による訪問については、必ずしもケアプランに位置づけ訪問看護費の算定までを求めるものではないが、訪問看護費を算定しない場合には、訪問日、訪問内容等を記録すること。

古谷さん:疑義解釈によると「ケアプランに位置付けないで無料で訪問する」という方法もありますが、個人的な意見としましては、しっかりとケアプランに看護師の訪問の必要性を位置付けて訪問する必要があると思っています。もし、無料で看護師さんが訪問する場合、5分入って出てくるとかになりますと質の問題にも繋がりますし、例えば利用者さんの状態が悪化した時に「何で今までは無料だったのに有料になるの?」という問題も発生すると思うんですよね。そのことも踏まえてケアマネージャーさんに伝えたところ、反応としましては概ね理解はして頂けましたね。

 

私が古谷さんと話した印象ですと、古谷さんの日頃のケアマネージャーさんとの良い関係性が理解に繋がっているような気もしました。

中には別の訪問看護ステーションでは「無料で看護師が訪問している」「絶対に月1回看護師が訪問する」というところもあるようです。

古谷さんの訪問看護ステーションではあまり問題にならずに介護報酬改定を迎えることができたようですが、問題になっている事業所ももしかしたらあるかもしれませんね。

古谷さんの考えとしましては、「必要な人に必要なだけのサービス」は前提で、それを全員一律にしてしまうと結果的に利用者さんの負担も増えてしまいますし、初めに看護師さんがアセスメントに行かれた時に「3ヶ月に1回看護師の訪問が必要か」、「1ヶ月に1回の看護師の訪問が必要なのか」を判断し、利用者さんとケアマネージャーさんと相談をしてケアプランに入れているようです。全体的には3ヶ月に1回の看護師さんの訪問の方が多いようです。

:看護師さんが3ヶ月に1回入って頂くことでセラピストとして安心感や重症化した時の早期の対応とかに関しては心強いと思いますが、それ以外にセラピストとして「これは良かったなぁ」とかそういうことはありますか?

古谷さん:やっぱりリハビリ職の視点で診れないところを診てくれることですね。やっぱり他職種の視点ってとても重要だと思います。例えば理学療法士と話していて「この人に看護師さんが関わるのはどうなの?」と聞くと「全然大丈夫です」みたいな話があるんですね。でも、実際に看護師さんに訪問して頂いたら、排便や口腔状態などでも「ちょっとこうした方が良いよね」とかアドバイスをして頂くこともありますね。やっぱり全然視点が違いますね。リハビリ専門職から診たリスク管理と看護師さんから診たリスク管理というところもフォローできるのですごく助かります。

:それすごい分かります。逆にセラピストの視点っていうのもありますよね。看護師さんだけ入っていたところにセラピストが関わることで「こんな見方するんだ」って言われることもあります。実際に看護師さんだけが入っているケースに訪問した時に「自分達ならこのようなことができる」ということもあります。看護師さんの立場でも同じようなことがあるんでしょうね。

古谷さん:時々、看護師さんにも「この人の動作を見て欲しい」とか言われて、ケアマネージャーさんの了承を事前に得てお試しという形で身体状況を見させて頂いたり、説明をさせて頂いたり、動作を実際に見て福祉用具の選定のアドバイスをすることもありますね。看護師に同行してアセスメントをすることで利用者さんの生活を一緒み見させて頂くこともしますね。

:一回の動作指導や生活環境の整備で変わりますよね?

古谷さん:全然変わりますね。そして、一回の訪問でのアドバイスの後にしっかりと看護師さんと話してその後の状況も確認するようにしていますね。また一回訪問した後に、セラピストによるリハビリをした方が良いっていう人も実際いますのでサービスの利用に繋げていけるというのもメリットですね。

:本当に良い訪問看護ステーションですね。

:訪問看護からのリハビリも平成30年度介護報酬改定で単位数が減算されましたが、事業所の影響はどうですか?

古谷さん:介護報酬では予防で約5%で介護で約2%くらい減算がありましたね。しかし、例えばリハビリ専門職中心の訪問看護ステーションは3ヶ月に1回、または定期的なケアプランに位置付けられた訪問看護師の訪問が増えると事業所全体としてはプラスとなることもありますね。

:看護師とリハビリ専門職が連携を図るという点では良い報酬改定であったかもしれませんね。個人的には訪問看護ステーションって素晴らしいと思うんですよね。PT・OT・STと看護師が同じステーション内にいるって最強だと思います。

古谷さん:そうですね。逆に訪問リハビリテーション事業所では医療的ケアが必要になった時の対応とかはどのようにされているのですか?

:訪問リハビリテーション事業所としてはセラピストしかいないので、必要な場合は他の訪問看護ステーションの訪問看護師さんと一緒に関わることになります。しかし、地域の他の訪問看護ステーションのセラピストの話を聞くと、ケアマネージャーさんが最初から看護師が必要な場合は訪問看護ステーションを選択するケースが多い印象です。最近は私の訪問リハビリテーションん事業所では医療的ケアが必要な方の依頼より介護予防の人が多いですね。訪問リハビリテーションは退院直後の早期かつ短期集中のリハビリと介護予防が大切だと思いますので、そこをケアマネージャーさんもしっかり理解してくれているのかもしれません。でも、他の訪問看護ステーションの看護師さんとだとリアルタイムでの連携がなかなか難しいので、ターミナルの方や医療的ケアが必要な方はやっぱり訪問看護ステーションは強いなぁって思いますね。

古谷さん:看護師さんと同じ職場ですと、訪問看護ステーションに帰ってからも話すこともできますし、チャットとかそのような機能を使って利用者さんの情報共有とかもします。看護師とリハ職の双方から例えば「褥瘡ができました」とかの話が上がってきて、その写真を撮影して共有をしてケアマネージャーに連絡をして、ケアプランに看護師さんの訪問を入れて頂くとか、受診を勧めたり医師の判断を仰ぐというようなこともスムーズにできますね。

【余談】訪問看護記録は紙なの?

:すごい気になることがあるのですが、古谷さんの訪問看護ステーションも記録用紙は紙何ですか?(笑)

古谷さん:ついに電子カルテに移行しましたよ。(笑)記録とかに関してはクラウド型の訪問看護支援システムに切り替わりました。

ついに発見しました!脱紙媒体!

:使い勝手はどうですか?

古谷さん:一長一短ですね。例えば、紙媒体の方が今まで慣れていたので、スマホやタブレットでの入力に操作性の難点はあります。しかし、慣れてくれば非常に使い易いシステムだとは思っています。一番は紙媒体を使わなくなることだと思います。都会でスペースがない中、契約終了後5年とか保管しなければいけない紙媒体の置き場所がなくなるということが有り難いです。そして、資源の削減とかにも繋がってくるとは思いますね。

小児の訪問看護ステーションからのリハビリ

訪問看護情報提供療養費に関しても説明して頂きました。

インタビューのはずが、訪問看護の医療保険の診療報酬改定の説明までして頂きました(笑)

説明も非常に分かり易かったです。

その中で、訪問看護情報提供療養費2というものが新設されたという話がありました。

補足説明
訪問看護情報提供療養費2とは、小学校又は中学校に入学や転学時等の当該学校に初めて在籍する利用者について、訪問看護ステーションが、利用者の同意を得て、学校からの求めに応じて、指定訪問看護の状況を示す文書を添えて必要な情報を提供した場合

:小児のリハビリってやっていますか?

古谷さん:近隣に小児専門の訪問看護ステーションがあることもあり、私のところではやってないです。

:小児専門の訪問看護ステーションがあるのですね。それは地域を支える上でも心強いですね。

 

需要も多いようですが、都内でも多くはないようです。

古谷さんからは東京都の在宅重症心身障害児(者)等訪問事業についても説明して頂けました。

本当に勉強になります。

私は地方で小児専門の訪問看護ステーションはありません。

隣の市の外来に通ったりしているケースが多いです。

小児のリハビリに関してはどこの地域においても課題なのかもしれませんね。

地域の中で障害者(児)もしっかりと支援できる地域づくりが必要な気がします。

訪問看護ステーションおける新人セラピストの教育について

:新人の訪問セラピストに対する教育ってどうされていますか?

古谷さん:今年新人のセラピストが入りましたが基本的にOJTが多いですね。座学の勉強はどこでもできるので、基本的には同行をして頂いています。僕が伝えているのは、先輩セラピストに同行して教えて頂いた後に、それ以外に自分で考えられることの仮説を立てて、それをどうやったら検証できるのかを考えてきて頂いています。あとは疾病のリスクとかですね。例えば人工透析している人の血圧の変動はどうなるのかとか。僕が最重要視しているのがリスク管理ですので、そこができないと訪問はできないと考えています。運動療法云々ではなく、リスクを予測して対応できるかが大切なことだと思いますね。例えば血圧が下がると予測していれば、もし変化があった時に対応ができますが、下がらないと思っていて関わって入れば対応ができませんのでリスク管理を最重要視しています。

:在宅でリハビリをするって病院でリハビリするのと全然違いますよね。

古谷さん:違いますね。データが圧倒的に足りないので…。例えば血液データがない中でどうリスク管理をしっかりとした上でリハビリを提供するかとか。そこに関しては急性期で働いていた頃の経験がとても役に立っています。

 

古谷さんと話していると…。私のリスク管理の甘さを痛感しました。

在宅でリハビリを行うためにはリスク管理が必要なことは承知しております。

しかし、私もまだまだだなぁと。

これからしっかり勉強して安全に良いリハビリテーションを行えるようにしていきたいと思いました。

総合事業の短期集中型訪問事業について

:これから新しい何か始めようとしていることとかありますか?

古谷さん:5月から総合事業所の短期集中型訪問事業というものを始めます。

:総合事業良いですよね。短期集中型訪問事業って何ですか?

古谷さん:まず自治体の中で介護予防ケアマネジメント支援会議っていうものがあるんですけど、その中で事業対象者・要支援者について会議をするんですよね。その中で通所型と訪問型と短期集中型というものがありまして、その人に合ったサービスを選定していきます。そして自立支援に繋げていくっていう感じですね。

:どのくらいの期間訪問するんですか?

古谷さん:概ね3ヶ月です。週1回とか週2回とかは相談する形です。

:私もやりたいです(笑)古谷さんは事業所にも地域にも本当に重要な地域資源ですね。最近思うのですが、「この人がいる訪問看護ステーションや訪問リハビリ事業所」「このセラピストがいるから依頼をする」とか、「セラピストが異動したケアマネさんも依頼をかける事業所を変える」とか思うんですよね。しっかりと個人でブランディングしていくことが本当に大切で、そして個でブランディングしたことを会社がしっかりと認めてくれることが大事ですよね。

古谷さんにインタビューした感想

今回記事にしたこと以外にも様々なことについて意見交換をさせて頂きました。

・生活機能向上連携加算について
・学生さんの実習について
・平成30年度介護報酬医療報酬改定について
・他職種連携について
・言語聴覚士の訪問リハビリの需要や役割について
・訪問リハビリのPT,OT,STの専門性について
・ケアマネージャーについて
・地方と都会の地域差について

「とにかく知識が豊富」という印象でした。

そして、刺激的でした。

これからも色々と教えて頂きます。

インタビューを引く受けて頂きありがとうございました。

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