リハビリ

訪問リハビリの卒業について本気出して考えてみた

訪問リハビリインタビューが4人目/5人目の記事です。

訪問リハビリインタビューとは何か?を知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。

なぜ4人目と5人目が一緒なのか?

それは、インタビューという企画ですが、4人目も5人目も私が話し過ぎてしまったからです。(笑)

偶然4人目の方も5人目の方からも似たような「訪問リハビリの卒業」の質問を受け、私がインタビューを受けるという形になってしまいましたので、その内容を記事にしたいと思います。

お二人にはいつかまたインタビューさせて頂こうかと思います。

訪問リハビリの卒業について本気出して考えてみました。

こまつさんのプロフィール

こまつさんのプロフィールを簡単に紹介させて頂きます。

  • 作業療法士5年目
  • 訪問リハビリ3年目
  • 京都在住
  • ブログ「作業療法の扉

森田さんのプロフィール

森田さんのプロフィールを簡単に紹介させて頂きます。

  • 理学療法士9年目
  • 訪問リハビリ8ヶ月目
  • 北海道在住
  • ブログ「SLOW LIFE

訪問リハビリの卒業について

訪問リハビリの「卒業」について皆様はどう考えておりますか?

現在、平成30年4月20日

セラピストとしての考えもドンドンと変わっていきます。

それは当たり前だと思います。

制度が変わり、時代も変わる。

リハビリテーションも変わり、勉強をしてセラピスト自身も変わる。

訪問リハビリの卒業に関する意見も変わって当たり前です。

リハビリ自体がアップデートされていくのは当たり前です。

いや、アップデートしなければいけないと思います。

過去に私は訪問リハビリについてこのような意見を残しています。

【平成29年5月17日】
訪問リハビリで卒業させ過ぎて利用者が減る事件発生

【平成29年6月24日】
なぜ訪問リハビリの理学療法士は卒業や通所系サービスを勧めるのか?

【平成29年10月15日】
訪問リハビリの卒業を上手に勧める為には何をすべきか?

これはその時の訪問リハビリの卒業に対する私の意見であり、この時の考えも大切にしていきたいと思っております。

では、今は訪問リハビリの卒業についてどう考えているのか?

これをインタビュー内容の中で感じて頂ければと思います。

訪問リハビリの卒業についての質疑応答

森田さん:通所リハビリ(デイケア)や通所介護(デイサービス)に行くのが嫌だから訪問リハビリっていう人の卒業ってどう考えていますか?

:通所系サービスに行きたくないから訪問リハビリという選択が私の中にありません。でも、新規として依頼があれば受け入れることが多いです。何故ならばそこに訪問リハビリという介護サービスが必要な目的があるからです。そして、その目的に沿う目標が達成できれば卒業です。実際に「通所リハビリや通所介護に行きたくないから訪問リハビリをお願いします」というケアマネージャーさんは多いです。そこが訪問リハビリの依頼目的ではなく、「何で訪問リハビリが必要なんですか?」「何が困っているんですか?」ということが大切になってくると思います。訪問リハビリのサービスの原則は「通いたくない人」ではなく「通えない人」であり、そこにプラスをして「家でリハビリを行う必要性がある人」が対象です。訪問リハビリを提供する目的や目標が明確化されていれば自然に卒業は見えてくるのではないでしょうか?目的を曖昧にしてはじめてしまうと卒業は難しいかもしれませんね。そのために、依頼があったらまず会いに行きセラピストの視点でアセスメントをしに、ケアマネージャーと本人・家族と訪問リハビリの目的や目標を共有します。また、「通所系サービスに行く理由って何でしょうか?」ということを別に考える必要があると思います。この一つ一つが整理できていないと、各サービスのマネジメントができないことになり、それが総合的なケアマネジメント力につながると思います。通所系サービスも同様に通所系サービスに行くことが目的ではなく、「何のために通所系サービスに通うのか?」これが重要になり、通所系サービスに通えない人に訪問リハビリというサービスで代用できるのであれば、そもそも訪問リハビリというサービスの利用方法や目的が明確化されていないことになると私は考えます。また、私は通所系サービスにも行きたくなければ行かなくて良いと思いますね。行かなくても十分困らず家で楽しく不自由なく生活できている人は多いです。

こまつさん:訪問リハビリを上手に卒業させるために工夫していることはありますか?

:不安を取り除くことですね。例えば、①いつでも訪問リハビリを再開できることを約束する、②訪問リハビリ修了後1ヶ月後に訪問をする、③繋いだ先のデイサービスや訪問看護とやりとりしたりデイサービスに通っている様子を見に行く、④修了後も困った時は電話をしてきて良いと伝える、などです。その中でも1番大切なことは初めの説明だと思います。初めにしっかりと訪問リハビリの目的や目標を共有してそれができたら卒業ということを示していれば卒業は可能だと思います。

こまつさん:難病の方の卒業はどう考えていますか?

:予後予測をして訪問リハビリが必要な目的や目標があれば入り続けます。しかし、その目的や目標が変わらないのであれば不要と判断して卒業を考えます。急性進行疾患と慢性進行疾患でも当然対応は変えます。病状が安定していれば、一旦離れ、必要になれば関われば良いと考えております。そのために初めの関わりが重要だと思っております。

話の中で出てくる目的って何なん?という疑問が出てくると思います。

少し話してみましょう。

私も昔はよくやっていました。

例えば週1回

「ROMをやって筋トレをする」という40分の使い方。

これって意味がありますか?

効果の根拠を示すことができますか?

何のためにやっているのですか?

この目的が言えるのであれば、やれば良いと思います。

ここに目的がなく、ただやっているのであれば、依存につながります。

依存させることが1番卒業から遠ざけることです。

1回の訪問リハビリを提供する目的を説明できますか?

その中で行う内容の全ての目的を説明できますか?

説明できるのであれば、卒業は比較的簡単だと思います。

目標や目的を曖昧にしてただやっているダラダラリハビリは依存させます。

依存は卒業の最大の敵です。

具体的に目標を立てて、しっかりとその目標に沿って説明できる内容を提供することが大切であると考えます。

森田さん:「入り続けないといけない訪問リハビリ」に疑問を抱き、卒業をケアマネージャーに電話で伝えたらギャップを感じました。どんどん電話をしたらめんどくさいように捉えられたのか利用者の依頼も減りました。理想と現実にギャップを感じました。正直、心が折れそうにもなりました。その後、受けの姿勢で想いを伝えることをしたら少しずつ伝わるようにもなりました。ケアマネージャーとのやりとりに関して何かアドバイスはありますでしょうか?

:非常に共感できます(笑)私も面倒くさいと思われていたと思います。今でもそう思われているかもしれませんね(笑)しかし、確実に新規の依頼数は年々増加しています。それは私の想いに賛同していただけるケアマネージャーがリピートしていただけるからと思っています。そのようなケアマネージャーと組むとさらに自立支援はさせ易くなります。地域の活動・ボランティアに積極的に足を運び、ケアマネジメント以外のことでケアマネージャーと交流を深める、ケアマネージャーや地域包括支援センターなどから依頼された講義を引き受ける、地域の事業所連絡会や行政主催の他職種連携の勉強会などに参加する。このようなことを日々行うことで気軽に話ができる関係を構築していくことは大切だと考えます。介護サービスの依頼はほぼ100%ケアマネージャーからきます。ということはしっかりと関係性を築いていく必要はありますね。

自立支援(卒業)には他職種協働が大切

訪問リハビリは比較的卒業させ易いサービスだと思います。

「卒業」という考えが世に広まったのも最近だと思います。

想いのある一人だけのセラピストが「卒業」を訴えていても、周りが違う考えであれば「冷たい」と言われるだけです。

しっかりと訪問リハビリとは?在宅におけるリハビリテーションとは?をケアマネージャーはじめ他職種に理解していただく必要があります。

いきなり考えは変わらないと思います。

私は数年前からずっと「自立支援」という考え方や「地域における訪問セラピストの働き方」などを伝えてきたつもりです。

まだ理解していただけない方も多いですし、そもそも私の考えが正解なのかも正直分かりません。

私は、地域の訪問セラピストの数と需要のバランスが崩れ、常に訪問リハビリの空き状況がないことが「本当に地域を支えていることになるのか?」と疑問に感じました。

本当に訪問リハビリが必要な人にサービス提供をしてあげられない

これはマズイ。

だから回転をさせるべきと考えたのです。

訪問セラピストも卒業させるのが不安

でも、

「訪問リハビリを卒業しても笑顔で生活をしている。」

「セラピストがいなくても生活が変わらない。」

これを多職種で体感して他職種や訪問セラピストが成功体験を積むことで、専門職自身も不安がなくなると思います。

全員で同じ方向を向き、利用者がその人らしい人生を送るためには何をすべきか?

しっかりと話し合い自立支援を考えていく必要があると思います。

そこにはケアマネージャーとの信頼関係が必須です。

例えば、私が知らない土地に行き、いきなり同じようなことをし始めても、「あんた誰?」で終わります。

地域によって考え方が異なると思います。

セラピストが多い地域、高齢化が進んでいる地域。

そのためにも訪問リハビリの分野でも地域包括ケアシステムを考えていく必要があるのだと思います。

そして、その地域ごと「どんな方向で関わるべきなのか?」を考え、多職種が同じ方向を向いていくことが自立支援には必要だあると思います。

「卒業」ではなく「自立支援」

私は少し前から「卒業」ではなく「自立支援」という言葉をよく使いようにしています。

初めの頃は終了より修了の方が良いかも。

修了と同じで卒業も良いかも。

と考えていました。

でも、卒業?いや、結局は目指すべきは自立支援じゃない?

と思うようになりました。

「卒業=訪問セラピストから離れる」というイメージになると思います。

「自立支援=訪問セラピストが不要」

この考え方が大切な気がしてきました。

利用者さんから訪問リハビリを卒業したいと言われたら嬉しい

利用者「もう来なくていいよ!」

これが一番スムーズではないでしょうか?

全員納得しますよね?

利用者「卒業式やる?(笑)」

これが一番嬉しい。

今、目の前にいる利用者を一生訪問セラピストとして面倒をみることができますか?

それができないのであれば自立支援を促していくべきだと私は思います。

今、自分より若い利用者さんをみている。

5年後、10年後あなたの代わりを引き継ぐセラピストがいる保証はありますか?

依存は自立支援の最大の敵です。

訪問セラピストが溢れている状況であれば全員にずっと関わっていくという考えも良いと思います。

しかし、1番最悪の事態は突然の卒業宣告です。

「セラピストが仕事を辞める」

今までセラピストに依存していた利用者さん。

その後どのような思いをするのでしょうか?

もし、その利用者さんが突然の卒業宣告があっても「大丈夫」であれば、その利用者さんに今、訪問セラピストとして関わっている理由は何ですか?

それは税金によって行われているサービスです。

みなさんはこのことをどう考えるでしょうか?

訪問リハビリの卒業(自立支援)は難しい?

「でも、なかなか卒業できないです」という方の話をよく聞きます。

その大きな理由は会社の方針です。

多くのみなさまは会社に雇われている身の方が多いのではないでしょうか?

現時点で、国の制度で訪問リハビリや訪問看護からのリハビリは、病院のように「発症後◯◯日まで」のような決まりがありません。

ということは医師が訪問リハビリの指示を出せば永久に実施可能なのです。

例えば、訪問看護指示書のリハビリテーションという項目に丸がつけば、「実施可能」なのです。

医師が「他動関節可動域訓練をやってください。」と言い、上司が「医師はやってって言っているよ?」と言う。

そこに反論しても、論破するのは難しいと思います。

自立支援させるとインセンティブが下がります。

ちなみに通所介護や通所リハビリは介護度が上がればインセンティブが下がり、ADL評価加算が月に5単位(約50円)入ります。

現在の制度上、卒業させると事業所の収益が下がり、セラピストに支払う給料も下がるシステムとなっております。

従って、ビジネスとして考えるのであれば、「卒業や自立支援はさせないでくれよ」と言う想いも分かります。

だからこそセラピストが自分に合った働く場所を探す必要があると思います。

自立支援を積極的に行いたいセラピストは、歩合制の訪問看護ステーションで働くことはお勧めできません。

「歩合制の訪問看護ステーションで働きながら、給料をたくさん貰い、どんどん自立を促す」ってなかなか難しいと思います。

自立支援に特化したリハビリテーションを行うためには、病院に併設した訪問リハビリテーションが良いと思います。

  1. たくさん給料が欲しい!
  2. 理想のリハビリをやりたい!(自立支援が理想の場合)

この2つを両立することは難しいと思います。

そのようなことで悩まれているセラピストがおりましたら、私は転職を勧めます。

訪問リハビリへの転職についてのアドバイス

訪問リハビリの「卒業」について理解が深まりましたでしょうか?

これは私の考えであり、正解かは分かりません。

しかし、上述したように「たくさん給料が欲しい」と「理想のリハビリをやりたい!(自立支援が理想の場合)」の両立は難しいと思います。

自分がどんなスタイルでセラピストとして働きたいのか?

それを考えて答えを出して、もし現在の居場所に違和感を感じるのであれば訪問リハビリ業界で転職を考えることも大切かもしれませんね。

すぐに決めず、ゆっくりと転職先を選ぶ必要があります。

その為に、このような転職サイトを利用することをお勧めします。

登録は簡単で無料ですので、登録してからゆっくり転職を考えることをお勧めします。

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ABOUT ME
杉浦 良介
静岡県出身・在住の理学療法士(PT)です。 訪問リハビリの分野が大好きです。 人と人を繋ぐ理学療法士を目指しています。 訪問リハビリが好きな人・訪問リハビリについて知りたい人・繋がりたい人・悩んでいる一般の人…ドシドシお問合せ下さい! 相談されると喜んで返信します(笑) まずはお問い合わせから連絡をお願いいたします。 Twitter・Facebookのフォローもどうぞよろしくお願いします。