リハビリ

訪問理学療法士とケアマネの『訪問リハビリ対象者』の考えの違い

訪問理学療法士とケアマネの『訪問リハビリ対象者』の考えの違い

私は訪問看護ステーションで3年、訪問リハビリで2年弱働く理学療法士(PT)です。

世間的に訪問リハビリはまだあまり周知されていません。

【利用者さん向け解説】訪問リハビリって何?

その影響もあり、

訪問リハビリのサービスに携わっている理学療法士が考える『訪問リハビリの対象者』と

ケアマネージャーが考える『訪問リハビリの対象者』は異なります。

実際にはケアマネージャーが『訪問リハビリの対象』と考える利用者と私が考える『訪問リハビリの対象』はこのような関係だと思います。

訪問リハビリの現場で働く理学療法士としては、『もっと対象者がいる』と考えています。

確かにケアマネジメントをしっかりし、『訪問リハビリの対象』と選んでくれることは非常に喜ばしいことだと感じます。

5年弱訪問看護・訪問リハビリで働いており、ケアマネージャーが選ぶ『訪問リハビリの対象者』の傾向がみえてきました。

今回は、ケアマネージャーが考えている『訪問リハビリの対象者』と実際の現場で訪問リハビリの業務に携わっている私が考える『訪問リハビリの対象者』を比較してみたいと思います。

ケアマネージャーが選ぶ『訪問リハビリの対象者』の傾向

これは教科書には書いていない、私の実体験に基づくことです。

5年弱の訪問リハビリの経験で感じたことをありのままに書きます。

ケアマネージャーさんは色々な方がいます。

決してケアマネージャーさんのケアマネジメントを否定するわけではありません。

関わっているケアマネージャーさんの中では『素晴らしい!これは訪問リハビリだ!』と思うケアマネジメントをし、依頼をくれる方もいます。

訪問リハビリで働く理学療法士の私の率直な感想です。

軽い気持ちで読んで頂けたらと思います。

ケアマネが困ったら訪問リハビリ

『ケアマネが困ったら訪問リハビリ』

まず、一番感じることはこれです。

ケアマネージャーさんが困った人がいた時に相談してきます。

『○○さん。こういう人いるんだけど、訪問リハビリの対象?』

『○○さん。こういう人がいるんだけど、どうしたら良いと思う?』

私としては非常に喜ばしいことです。

頼りにされている感があります。

きっと訪問リハビリに従事されているPT・OT・STさんは経験があるのではないでしょうか?

私はマネジメント力には自信があります。

マネジメントをするのが好きなので、新規依頼時の相談は非常に燃えます。

他のサービスが適していると判断した場合はそちらを勧めることも多いです。

私が言うのも変ですが、訪問リハビリをやっていると自然とマネジメント力がつきます。

これは他職種と多く関わり、生活期リハビリ特有のゴール設定・卒業を自ら考えるからだと思います。

『ケアマネが困ったら訪問リハビリに相談』

これは良いことだと思います。

リハビリ職の意見を聞くことで視野が拡大すると思います。

もし、この記事をケアマネージャーさんが見ていたら、困ったときは訪問リハビリに相談してみてください。

訪問リハビリのリハビリ職員はきっと良いアドバイスをくれると思います。

デイサービスに通いたくない人

正直、一番多いケースがこのケースかもしれません。

『デイサービスに行きたくないけど、訪問リハビリなら良いって言っている人がいます』

ケアマネージャーさんも訪問リハビリのセラピストも納得されるのではないでしょうか?

訪問リハビリの対象者の原則は、

『通院できない人』です。

『行きたくない人』とはどの書物にも書かれてないと思います。

行きたくない理由は人それぞれです。

①若い人の為、抵抗がある

②認知症があり、行けない

③外に出ることが嫌い

④人と関わりたくない

⑤世間体を気にする

…仕方のない理由も含め、様々な理由があります。

『行きたくない人』が訪問リハビリの対象者であるか?

と問われたら、はっきり『YES』とは言えませんが、対象者の場合もあると思います。

その為、このような相談があった時はまず面談をします。

利用者さんと実際に会い、訪問リハビリとして関わり、効果が出せるのかを考えます。

しかし、実際はケアマネージャーさんはケアプランを作成してきてしまいます。

仕事が早いですね…。

なぜでしょう?っていつも思います。(笑)

その為、自然とスタートする雰囲気になっています。

私のちょっとした悩みです。

話が脱線しましたが、ケアマネージャーさんは『通所系サービスを拒否する人』を訪問リハビリの対象者と考える傾向はあると思います。

家から出られない人

何らかの理由で通院できない人。

訪問リハビリの大原則のケースです。

これは説明はいらないと思います。

通いたくないではなく、通えない人です。

訪問リハビリの出番ですね。

末期がん、頚髄損傷、重度呼吸器疾患、重度脳血管疾患、要介護度5レベルの人…。

しかし、長期的な関わりは…。どうでしょうか?

この記事をみて頂ければ私の気持ちが分かると思います。

なぜ訪問リハビリの理学療法士は卒業や通所系サービスを勧めるのか?

人工透析の患者

人工透析の方が訪問リハビリには多く依頼がくる傾向があると思います。

ケアプランを立てる際、

『週3回も人工透析に通い、疲れてしまい、でもリハビリが必要』

と考えているのではないでしょうか?

確かに、人工透析日の間に『通所系サービスに行け』とはなかなか言えないかもしれません。

人工透析患者に対する訪問リハビリについては以下の記事も読んで頂けたらと思います。

人工透析患者に対する訪問リハビリ

難病の方

特定疾患の方が非常に多いという傾向もあります。

パーキンソン病関連疾患の場合、自宅での動作をみてもらいたい。

など、しっかりとマネジメントをしてくれるケアマネージャーさんもいます。

↓した興味のある方は見てみて下さい。

パーキンソン病関連疾患の概要と訪問リハビリの内容と課題

パーキンソン病関連疾患以外の特定疾患も多い傾向があります。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄小脳変性症、筋ジストロフィー、後縦靭帯骨化症、黄色人体骨化症…などが比較的多い印象です。

特定疾患医療費助成制度が適応ということも大きな理由かもしれませんね。

特定疾患医療費助成制度を訪問リハの視点から分かり易く解説

特定疾患医療費助成制度は訪問リハビリや訪問看護(リハビリ)でも助成が可能である

住宅改修が必要な場合

住宅改修が必要な場合ということは、自宅での生活に何かしらの問題を抱えている人です。

通院できない人だけが『訪問リハビリの対象者』という過去の制度のイメージが少しずつ薄れていることが非常に嬉しく感じます。

住宅改修や福祉用具選定に関しては訪問リハビリのセラピストはスペシャリストだと思います。

是非、生活環境整備、住宅改修、福祉用具選定の助言に関しては訪問リハビリを活用していって欲しいと思います。

【徹底解説】住宅改修と福祉用具に関する制度を正しく理解しよう!

訪問リハビリ5年の理学療法士が語る福祉用具に関する10のメッセージ

全身状態悪化・廃用症候群

『状態が悪くなってデイに行けなくなってしまった人がいます』

これも良く聞きます。

しかし、良く聞くのは

『数か月前からデイに行けなくなって…』

という相談です。

正直、もっと早く言ってきて欲しいなぁ…と思います。

何度も色々な記事で書いていますが、訪問リハビリはフットワークの軽さが売りです。

きっと、どこの事業所もすぐに面談や相談にかけつけてくれるはずです。

気軽に相談して来てほしいですね。

その為にも、もっと信頼を勝ち取らなければいけないと日々感じております。

皆様も感じていらっしゃると思いますが、悪くなるのは早いです。

予防が本当に大切なのです。

早め早めの対応には訪問リハビリを活用して欲しいと思います。

訪問理学療法士が考える訪問リハビリ対象者

上述したケアマネージャーさんが考える訪問リハビリの対象者は間違っていません。

私が伝えたいことは、『まだまだ対象者はいる』ということです。

自宅でリハビリを行うサービスは訪問リハビリしかありません。

利用者さんの実生活に則したリハビリは本当に効果があります。

正直、全員対象者ではないか?とも思います。

何かしらのメリットはあると思います。

しかし、忘れてはいけないことがしっかりとしたリハビリテーションマネジメントです。

『適宜適切なリハビリテーション』=必要な時に必要なだけ

介護保険下のリハビリでもしっかりと定義されています。

その中でも私が一番大切だと思う対象者は、退院直後の方です。

『入院から在宅へ』回復期リハビリの退院支援のポイント

この記事にも書かせて頂きましたが、退院時は様々な変化があります。

平成30年度医療介護同時改定においても訪問リハビリや通所リハビリで注目されている点です。

退院後1ヶ月までが1つ目のポイント

3ヶ月までが2つ目のポイントです。

ここを乗り越えることで生活が安定します。

生活混乱期を生活安定期に持っていく一番の適任が訪問リハビリのセラピストです。

生活期は長いです。リハビリ職としても難しい分野だと思います。

生活期の訪問リハビリの有効な回数と頻度

私のブログの締めはいつも曖昧で申し訳ないですが、、、

それがリハビリテーションだと思います。

訪問リハビリって難しい。でも、面白い。

とにかく、マネジメントはみんなで行うものだと思います。

ケアプランはみんなで作るものです。

他職種力を合わせて良いケアの実現を図っていきましょう!!!

ABOUT ME
杉浦 良介
静岡県出身・在住の理学療法士(PT)です。 訪問リハビリの分野が大好きです。 人と人を繋ぐ理学療法士を目指しています。 訪問リハビリが好きな人・訪問リハビリについて知りたい人・繋がりたい人・悩んでいる一般の人…ドシドシお問合せ下さい! 相談されると喜んで返信します(笑) まずはお問い合わせから連絡をお願いいたします。 Twitter・Facebookのフォローもどうぞよろしくお願いします。