リハビリ

【徹底解説】訪問セラピストが考えるリハビリサマリーに必要な内容

訪問リハビリの分野で働く理学療法士の杉浦良介です。

リハビリサマリーについて在宅長年働いた経験上感じていることを記事にしようと思います。

少しでも日頃の業務の役に立てて頂ければ幸いです。

リハビリテーション経過報告書(リハビリサマリー)

リハビリテーション経過報告書

いわゆる『リハビリサマリー』について在宅で訪問リハビリを行うセラピストが普段から感じていることを伝えたいと思います。

近年は『医療から介護』、『患者さんから利用者さんへ』の流れです。

病院から在宅にドンドン送られてきます。

その際に、一緒に送られてくるのが

リハビリサマリー(リハビリテーション経過報告書)です!

病院のセラピストたちはどんな気持ちでリハビリサマリーを書いているのでしょうか?

恥ずかしながら、私は病院で働いたことがありませんので、在宅向けにリハビリサマリーを書いたことがありません。

在宅リハで働いていると

『こんな内容は必要ない!』

という内容が普通に送られてきます。

いらない内容は…

書かなくて良いのです。

(見ないですから)

私は受け取り側の訪問リハビリで働く理学療法士です。

渡した相手に

私のリハビリサマリーどうでした?

と聞いたことはありますか?

無い人がほとんどだと思います。

そんな方々の為に、受け取り側の気持ちを教えます。

決して、嫌な風には捉えないでくださいね。

あくまで、参考程度にしてくださいね。

きっと、相手の気持ちを考えた良いリハビリサマリーが書けるようになるはずです。

そして、それがつなげるリハビリテーションとなることでしょう。

病院から在宅に”つなぐ”リハビリ【対談】回復期を知る訪問PTと訪問7年目のPT

私は以前、こんな記事を書きました。

 送ったリハビリサマリーの答え合わせできていますか?

『答え合わせ』ができていないのであれば、同じ過ちを繰り返すだけですよ!!

では、在宅の訪問リハビリのセラピストが率直な意見を伝えます。

念の為、もう一度言っております!

私は、在宅向けにリハビリサマリーを書いたことがありません。(笑)

でも、たくさん受け取っています。

この記事を読んで、何かを少しでも感じて頂ければ幸いです。

そもそもリハビリサマリーとは?

リハビリサマリーとは簡単に説明をすると

『お手紙』です。

病院のリハビリ職または看護師が、在宅のスタッフ・施設のスタッフ・転院先のスタッフに宛てたお手紙です。

逆に、在宅から施設、在宅から病院へも送られることもあります。

リハビリテーションや看護などが切れ目なく提供できるようにする為の『報告書』です。

全ては患者さん・利用者さんの為です。

しっかりと目的が明確なお手紙を書けると良いですね。

リハビリサマリーを書くのは大変

リハビリサマリーって書くの大変ではないですか?

リハビリサマリーを書く為に残業とかも良く聞いたことがあります。

頑張って書いた長文のリハビリサマリー。

もし、受け取った側がほとんど見なかったら悲しくないですか?

無駄な残業は無くしましょう!

分かり易く必要なことだけを簡単に伝えれば良いのです。

その為には在宅で働くセラピストからのアドバイスを受ける必要があります。

リハビリサマリーについて普段感じること

リハビリサマリーを受け取り、目を通すといつも感じることがあります。

ADL(日常生活動作)で見守りと書いてあることが多いです。

病院にいる時に見守りをしていたことは分かります。

しかし、在宅復帰後に『見守りは常にできるのか?』と考えて記載しているでしょうか?

以前、このような記事を書かせて頂きました。

 この記事の中で、このように説明しています。

退院時に変化する主な4つのことは

①生活環境

②関わる専門職

③リハビリ

④本人と家族の精神状態

です。

…抜粋…

②関わる専門職の変化

入院中の生活では、病院という建物の中に、患者さんがいます。

同じ建物の中に数多くの専門職がいます。

一方で、退院後の在宅生活では、患者さんの家には家族がいます。

そして、必要な時に受診をしたり、ヘルパーを呼んだり、訪問リハビリを呼んだりします。

また、通所リハビリや通所介護に通い、専門職と関わることもあります。

24時間見守りが必要?

そんな状態で退院させるの?

と解釈もできますよね。

リハビリサマリーを見ているのはリハビリ専門職だけではありません。

退院後はリハビリ専門職が関わらないケースの方が多いのではないでしょうか?

ケアマネージャーさんも見ています。

しっかりと伝わるように書くことも必要です。

理学療法士のかずぼーさんのブログ

かずぼーのリハビリ大全

で以前こんな記事を拝見しました。

本当に専門用語使いすぎなんですよ!

私はリハビリサマリーも一緒だと思います。

専門用語ばかりのリハビリサマリーがリハビリ専門職に渡らなかったら、全く意味がないのです。

そのままケアマネのファイルで眠ります。(笑)

リハビリサマリーをそんな風にしたくないですよね?

しっかりと退院先のサービス・渡す相手が誰なのかを考えてリハビリサマリーを書きましょう!

在宅で働くリハビリ職が欲しいリハビリサマリーの内容

まず、送る相手の気持ちを考えましょう!

それが一番大切だと思います。

好きな人に送るラブレターと一緒です。

在宅のリハビリで働く理学療法士である私が欲しいと思うリハビリサマリーの内容は以下の通りです。

在宅のセラピストが欲しいリハビリサマリーの内容

  1. 正式な診断名、病状の経過
  2. 本人の性格
  3. 在宅復帰後、介助が必要なこと(何ができて何ができないか)
  4. 医師からの指示・リハビリを実施するにあたっての注意点、禁忌
  5. 本人の希望
  6. 在宅復帰後に不安なこと・残された課題
  7. 指導内容(自主練習・生活指導など)
  8. 購入した福祉用具と値段、購入した理由
  9. 住宅改修をした場所と理由、費用
  10. 家屋評価のデータ
  11. 何を目的にどんなリハビリを実施していたか
  12. 在宅復帰後の目標

介護保険分野でのリハビリの実際

病院で働くセラピストの皆さん!

『介護保険下では医師からの指示はほとんどもらえない』

と思っていてください。(特にデイサービス)

病院のセラピストと症例発表をやると、『医師からの指示は?』と当然のように聞かれている場面があります。

介護保険下は理学療法士等のリハビリ専門職が関わっていても、

リハビリテーション』と『機能訓練に分かれます。

リハビリテーション=医師の指示のあるもの

機能訓練=医師の指示がないもの です。

知っていましたか?

しかも、リハビリテーションであったとしても、的確な指示は頂けない場合が多いです。

ちなみに、私が専門としている訪問リハビリの主治医(指示医)はほとんどが内科医です。

その為、正式な診断名や術式・病状の経過などの情報は必要なのです。

介護保険下のセラピストのほとんどはリハビリサマリーを参考にしています。

加えて、入院中に医師からどのような指示を受け、リハビリを実施していたのか?

また、リハビリを実施する上での禁忌や注意点も必要です。

可能であれば、内科医から…、外科医から…と記載されていると有り難いです。

意外と大切なパーソナリティ

結構大切になるのが本人の性格です。

家族の性格も必要になる場合もあるのでその辺の記載があると助かります。

本人の性格や家族の性格で苦労をされた経験は長年リハビリ業務に携わっていると誰もがあることだと思います。

『この人お金にうるさいな~』

『この人は住宅改修をやりたがらない』

『この人の家族は細かいな~』

『この人異常なくらい几帳面だ!』

私たち在宅のセラピストはこのような情報が欲しいです!

入院中のセラピストは頑張れば毎日患者さんと会えます。

しかし、在宅で働くセラピストは週に約1~3回しかも僅かな時間しか関わることができません。

退院後のリハビリは、とにかく早く

ラポールを形成するのが第一です。

また、本人が何を希望しているのかを明記されていると助かります。

私たち在宅で働くセラピストは、活動や参加に焦点を当てるリハビリを提供する為に、はじめに『興味・関心チェックシート』などを用いて、本人の好きなものを探ります。

その後、その結果や本人のしたいことを聴取して目標を設定します。

例えば入院中に、

『退院したら買い物に行きたい!』

『退院したらゴルフをしたい!』

『トイレだけは1人で行きたい!』

などの話が出ていたら、それをリハビリサマリーには書いて欲しいのです!

イメージとしてはこのような感じです。

『○○さんは退院したら△△をしたい希望がありますので、△△が達成できるようにお願いします。』

これが本当に助かります!

身体機能面において欲しい情報

身体機能面においては、

何ができる? 何ができない?

できること・できないことを明確にすることによって、

いつ介助が必要で、どんなリハビリをするのが大切なのかが分かります。

また、退院後、セラピストとして不安な点を書いて頂けるとそこに対して生活期でのリハビリのスタッフはアプローチができると思います。

退院直後は生活混乱期を迎えます。

退院後1ヶ月・3ヶ月はポイントです。

転倒も多いと言われています。

生活混乱期をできる限り短くし、生活安定期に移行させる為にも、不安な点や課題は早く解決できるように記載をして頂きたいですね。

退院前指導の大切さ

指導内容も大切ですよ!

まず、自主練習が大切です。

訪問リハビリでは自主練習指導が重要です。

退院後、利用者さんから

『病院のリハビリの先生はこう言っていた』

『こんなこと言われていない』

などの声も多く聞かれます。

また、病院で働くセラピストに覚えておいて欲しいことは、

帰ったら指導通りに行う人はほとんどいない

ということです。

それを補うことが生活期で働くセラピストの役割だと思います。

「病院のセラピストが指導をしたができていない」という評価をするのか、「病院のセラピストは誤った指導をしていたのか」では全然対応や受け取り方が変わってきてしまいます。

福祉用具や住宅環境情報は教えて欲しい

福祉用具や住宅改修に関しては、可能であれば

費用面を記載して欲しいです!

助成金が残りどのくらい余っているのかが分かりますからね。

購入品は年間10万円。

住宅改修は原則20万円。

特に購入に関してはできる限り再優先すべきものから購入して頂きたいですね。

例えば、購入でよくあるものは、ポータブルトイレ、シャワーチェア、浴槽用取り付けグリップ、浴槽台(浴槽内椅子)などです。

これら全て購入する必要のある人もいれば、一部必要な人もいます。

しかし、これらの福祉用具全てを10万円に抑えることはできません。

しっかりと予後予測をして、本当に必要なのか?を判断した上で購入して頂けたら、在宅復帰後の「予算不足で困った」がなくなるかもしれません。

福祉用具に関しては毎年4月1日にリセットされるので、「この時期なら」というタイミングもあると思います。

住宅改修に関しても同様です。

20万円って多いようで意外と少ないです。

在宅の現場では「既に限度額いっぱいに使っている」という場合も多くあります。

福祉用具に関しても、住宅改修に関しても慎重に行う必要がありますね。

しかし、必要なところはしっかりと導入・改修してください。

【徹底解説】住宅改修と福祉用具に関する制度を正しく理解しよう!

回復期リハビリなどでは退院前に家屋調査に行かれることもあると思います。

その際、写真等で家屋状況を撮ったり、段差の高さや廊下の幅などを測っていると、再測しなくて良くなるので頂けると非常に助かります。

訪問リハビリの初回訪問前にもイメージもつきやすいですし、通所リハビリや通所介護などのサービス提供者も助かると思います。

リハビリの内容は目的と目標を教えて欲しい!

リハビリの内容で大切なのは目的と目標です。

病院でのリハビリでは何を目的にどんなことをやっていたか、そして退院後何を目標と考えていたか。

これが書いてあると助かります。

同じ方針で在宅でもリハビリを行うことができるからです。

その方が利用者さんの為になりますよね?

病院でのリハビリと在宅でのリハビリの目的や目標、リハビリの内容は異なると思います。

しかし、最終的な目標は同じだと思います。

利用者さんが

「どのような生活を送りたいと思っているのか?」

これが大切であり、しっかりとセラピストの想いを乗せたバトンを渡す必要があると思います。

リハビリサマリーの余談

リハビリサマリーの一番最後の部分に

『ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問合せ下さい』

と書いてありませんか?

私は、

『不明な点があるのですが…』

と電話します。(笑)

私だけでしょうか?

是非、在宅で働くセラピストは勇気を出して聞いてみて下さい。

地域の医療⇔介護連携の第一歩ですよ!

きっと、病院で働くセラピストの為にも、自分の為にも、利用者さんの為にもなるはずです!!

情報収集はとても大切です。

それが効果的なリハビリへ繋がると思います!

リハビリサマリーの添削は在宅のセラピストに任せて下さい。

病院内の上司にリハビリサマリーの添削をしてもらっている人は多いと思います。

上司が生活期のリハビリの経験者であれば問題ありませんが、添削は是非、在宅で働くセラピストにお願いすることをお勧めします。

個人情報の問題などで詳細は難しいかもしれませんが、可能な限りこのブログを通してでも添削アドバイスに協力させて頂きます。

是非、お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。

在宅の視点を知っているか知らないかで大きく変わると思います。

私が考える回復期の理想のリハビリサマリーの様式・書き方

上述したような「在宅のセラピストが欲しい内容」を全てリハビリサマリーに入れるのは正直難しいと思います。

リハビリサマリーはどんなに良い内容を書いても料金を算定することはできません。

簡潔に・正確に・速く

がポイントだと思います。

正直、欲しい内容を言い出したらキリがありません。

情報はあればあった方が助かります。

その中でも分かり易く必要なことを最低限は教えて頂きたいですね。

訪問リハビリで働く私が考えた欲しい情報はこのような書式です。

「備考」というところが非常に重要になります。

この部分に関しては、書いて慣れる必要があると思います。

リハビリサマリーでは全員に同じことを伝える必要がないから存在する広い備考欄です。

 

私が考える在宅のセラピストの理想のリハビリサマリーの様式・書き方

突然の入院の場合のリハビリサマリー

リハビリサマリーは目的が異なりますので、ステージや施設によって様式・書き方が異なると考えています。

回復期のリハビリサマリーはある程度予測して作成をします。

「◯月◯日に退院」と分かっていて計画的に書く場合が多いのではないでしょうか?

在宅の場合も計画的に次のステージに送るリハビリサマリーを書く場合もあります。

しかし、実際多いのは「突然の入院」です。

私は急性期や医療療養病棟、地域包括ケア病棟などで働いたことがありませんので、先方(リハビリサマリーの受け手)の気持ちは分かりませんが、想定して相手の気持ちになって考えてみました。

ポイントとしては以下の通りです。

[list class=”ol-circle li-accentbdr acc-bc-before”]

  1. リハビリサマリーはあった方が良い
  2. リハビリサマリーは早く欲しい

[/list]

あればあった方が良いし、早くくれないと意味がないと思うのです。

ガッツリと時間をかけて詳細まで書いてあるリハビリサマリーより、簡潔になるべく入院したその日のうちに頂けるなら良いのではないか?と考えました。

これが正解かは分かりません。

しかも、何かがあり突然入院したのであれば、状態も変化しているはずです。

だから細かな評価結果等は不要ではないかと考えました。

その形がこれです。

正直、数行の文章で良いと思います。

突然の入院時のリハビリサマリーは「とにかく早く出す!」に限ると思います。

作成時間は5分ですね!!!

病院で働くリハビリ専門職がリハビリサマリー上達のためにすべきこと

病院のリハビリ専門職がリハビリサマリーを上手に書く(伝える)ために大切だと思うことは、やっぱりリハビリサマリーの受け手に聞くことだと思います。

「自分のリハビリサマリーどう?」

「言いたいこと伝わった?」

「不要なもの、足りないことない?」

と確認することでだんだん上手に伝えられるようになるのではないでしょうか?

あと、病院のリハビリ専門職に是非、読んでいただきたい本があります。

それはこの2つの本です。

退院支援の話、住環境整備の話、在宅でのリハビリテーションについてがこの2冊で学ぶことができます。

病院のセラピストがあえて在宅リハビリ系のこの2冊を目を通すことで、在宅のリハビリテーションについて理解が深まると思います。

REHABILITATION LIFE

訪問リハビリテーション完全マニュアル

リハビリサマリーでつなぐリハビリを!

この記事を通してリハビリサマリーについて、少しは参考になりましたか?

全てこの記事の通りで行う必要はないと思います。

在宅で働くセラピストはどんな内容のリハビリサマリーを欲しいと思っているのか?

受け取り側の気持ちを分かって頂けたら嬉しいという想いを込めて記事にしました。

私はステージ完結型バトンタッチ医療介護連携が大切だと思います。(私が名付けました。笑)

そのためには、情報共有の一つの手段であるリハビリサマリーはしっかりと考えて作成すべきだと思います。

参考にしてみてください。

ABOUT ME
杉浦 良介
静岡県出身・在住の理学療法士(PT)です。 訪問リハビリの分野が大好きです。 人と人を繋ぐ理学療法士を目指しています。 訪問リハビリが好きな人・訪問リハビリについて知りたい人・繋がりたい人・悩んでいる一般の人…ドシドシお問合せ下さい! 相談は有料です。 リアル&オンラインサロンでは無料となっております。 個別コンサルも行なっております。 まずはお問い合わせから連絡をお願いいたします。 Twitter・Facebookのフォローもどうぞよろしくお願いします。