リハビリ

訪問リハビリで働くPTが思う回復期退院前にやっておくべきこと!

私は回復期と訪問リハビリを兼務している訪問セラピストの杉浦良介です。

回復期の人は生活期のことを分かっていない」ということは、よく言われていることです。

しかし、それは当たり前なことです。

訪問リハビリでしか働いていない人は回復期のことをもちろんわかりません。

私は回復期のことを分からなかったので、回復期と兼務する訪問セラピストになりました。

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回復期と兼務することで、色々なことがわかるようになりました。

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そして、「回復期から在宅につなぐリハビリとは何か?」を少しずつ理解することができました。

今回は、少しずつ課題が見えてきたことを訪問セラピストと回復期を兼務している私の視点で、回復期退院前にやっておくべきことをお話ししようと思います。

すでに当たり前にしている人もいるかもしれませんが、回復期で働くセラピストは参考にしていただけると嬉しいです。

回復期退院前にこだわる理由

今回、回復期退院前にこだわる理由を説明していきましょう!

その前にまず、生活期というものを理解していきましょう!

生活期は以下のようなステージに分かれています。

  • 健康増進期
  • 機能低下期
  • 生活混乱期
  • 生活安定期
  • 生活展開期
  • 階段状低下期
  • 終末期

回復期から退院して、訪れるのが生活混乱期といわれる期間です。

生活混乱期は、「介助者が医療職から家族等へ代わり、リハビリの時間が大幅に減少し、環境が変わり、精神的にも変化することによって混乱する期間」です。

この時期は、転倒が多いとも言われています。

退院後、1ヶ月が一番多く、3ヶ月経過後から転倒の危険性は減少してくると言われています。

訪問リハビリテーションや通所リハビリテーションにおいては短期集中リハビリテーション実施加算というものがあり、これは退院後3ヶ月間算定できる加算です。

訪問リハビリは、40分間のリハビリで約8500円程度と高額になっています。

それは、この時期に訪問リハビリが有効!と解釈して良いと思います。

この退院後の「生活混乱期」を迎えないようにするために、回復期退院前の関わりが大切になってくるのです!

回復期退院後のあるある

嘘だろ?」と思うかもしれませんが、回復期退院後のあるあるを紹介したいと思います。

私は7年間訪問リハビリをやっていますので、退院後の訪問を何度も経験しているセラピストです。

いくつか紹介させていただきますね!

  • 装具を外している

これは普通です。

何の驚きもありません。

本当に良くあることです。

  • 装具の付け方が分からない

これも良くあることです。

「え?指導しましたよ?」

でも、できないのです。

  • 移動方法が変わっている

これもあるあるですね!

リハサマリーと全く違う方法で移動していることは本当に多いです。

  • やってはいけないことをやっている

これも超多いですね!

やってはいけないと指導したのに、やっている!

そうなんです。

やりたいことはやるのです!

  • 指導したことができていない

逆に指導したことができていないことも多いです。

やり方が分からなくなっている場合もありますし、やりたくなくてやらない場合も多いです。

決して病院のセラピストが悪いわけではない!

ここで私が伝えたいことは、退院後に生活混乱期を迎えてしまい、退院した後に様々な驚くべき行動を取ってしまっていることは、

  • 病院リハ職の指導不足
  • 病院リハ職のリハビリの能力不足

ではないと言うことです。

病院でのリハビリでは限界があると思っています。

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だからこそ、退院後の訪問リハビリは有効であり、「訪問セラピストに任せる」必要があると思っています。

病院のセラピストだけで完結するのであれば、訪問リハビリは必要ありませんからね!

回復期退院前にやっておくべきこと

退院後は訪問リハビリや通所リハビリのリハビリ職員に任せてください。

しかし、すべての利用者にサービスを使えるわけでもありませんし、限度額等の兼ね合いで必ずしもセラピストがいるサービスに繋げることはできないと思います。

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また、介護保険が非該当になる方も当然いらっしゃいますので、全ての人を訪問リハビリや通所リハビリなどで見ることができないのが現状です。

そこで、訪問リハビリで働く私から見て、退院前にやっておくと良いと思うことをいくつか紹介したいと思います。

患者を介助しないように!

回復期の退院前は、できるだけ自宅での生活をイメージしてほしいです。

例えば、ベッドからトイレまで歩行して移動するのであれば、家では患者さんはどんな状況でも一人で行わなければいけません。

「家族の見守りでお願いします」と退院時に指導しましても、家族も自分の生活があるわけですから、24時間見守りしてくれる家族はいません。

だから、触れないで欲しいのです。

時間がかかってもやらせる!

それをセラピストは退院後の様子と捉えてただ見ていてください。

ここで大切なことは、「声かけもしてはいけない」と言うことです。

家で声かけをしてくれる人はいません。

声かけ=介助」なのです。

声かけの介助をして、「できた」としても家に帰れば「できない」に変わります。

時間がかかっても、「できる」状態に持っていくことが在宅では大切なことです。

そこが、退院前に必要なリハビリのヒントになると思います。

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退院後の生活をイメージしよう!

退院後の生活をイメージすることが大切です。

例えば、入院の時は、こんな感じだとしましょう!

退院後のイメージはできていますか?

このように自宅での生活状況を把握しましょう!

これは私が作ったものです。(笑)

※特許申請予定です。(ご利用はお早めに)

これはシールバージョンの自作です。

ここからがもっと大切なことです。

朝起きてから、次の日の朝まで丸一日を想像しましょう!

訪問リハビリで私がよく指導することは、

  • 布団をかけることができない

が圧倒的に多いです。

夜トイレに行けるのだろうか?

その時、部屋は暗いです。

暗い中、電気をつけることができるのだろうか?

電気のスイッチまでの動線は?

このように一つ一つイメージをしてみてください。

これは私が訪問リハビリの現場で普段からやっていることです。

そこに回復期退院前にやるべきことのヒントが隠されていると思います。

是非、患者さんと一緒に。

退院後の自宅での生活状況把握シートを活用して、ワークをしてみてください。

「この空いている時間、どこで何する予定?」などと聞いてみてください。

きっとそこにヒントが隠されています。

 

まだまだ、回復期のセラピストにお伝えしたいことは山ほどありますが、今回はこの辺にしておきます。

最後に

病院セラピストが知っておくべき介護保険の基礎・生活期のことなどを伝えて欲しい回復期の病院さんは是非、私を呼んでくれれば、講義をしに行きます。是非、9年間の介護保険下での経験と回復期との兼務の経験をご活用ください。

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ABOUT ME
杉浦 良介
静岡県磐田市在住の理学療法士(PT)です。 訪問リハビリの分野が大好きです。 人と人を繋ぐ理学療法士を目指しています。 セミナー講師・コンサル(個別相談・企業向け)・寄稿等のお仕事の依頼もお待ちしております。 Twitter・Facebook・Instagramのフォローもどうぞよろしくお願いします。
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