リハビリ

住宅改修と福祉用具に関する制度を正しく理解しよう!

 

住宅改修と福祉用具の制度

住宅改修や福祉用具は要介護者を支援する為に非常に心強い味方です。

例えば、

  • 『手すりを設置する』
  • 『シャワーチェアを購入する』
  • 『車椅子をレンタルする』

住宅改修をする際、福祉用具を購入する際、福祉用具をレンタルする際、利用者さんにとっても、介護サービス事業者にとっても制度ということは知っておく必要があります。

なぜならば、『損しない人』になる為です。

世の中には様々な制度が溢れています。

例えば、家を建てる時、保険を組む時、車を買う時…。

知っていれば、より安く、良いものを購入・契約できます。

住宅改修や福祉用具も同じです。

利用者さん・家族さん・介護サービス事業者の皆様に分かり易いようになるべく簡単に詳しく説明していきます。

今回は『制度』に関する解説です。

福祉用具に関する小ネタは↓下記↓の記事を読んでみて下さい。

訪問リハビリ5年の理学療法士が語る福祉用具に関するメッセージ

住宅改修とは?

住宅改修とは、『動作や日常生活動作と住宅の不適合により生じる問題点を改善させる為に、手すりの取り付け、段差の解消などを実施すること』です。

対象者

要介護認定者です。

補助金

要介護度に関わらず、支給額は20万円となっています。

20万円までが1~2割で住宅改修を行えるということです。

住宅改修に要した費用を全額支払い、あとから7or8or9割が介護保険から支給されます。

しかし、実際、はじめから1or2or3割の支払いで良いところが多いです。

対象工事

対象の工事は以下の通りです。

  1. 手すりの取り付け
  2. 段差の解消
  3. 滑りの防止および移動の円滑化等のための床または通路面の材料の変更
  4. 引き戸等への扉の取り替え
  5. 洋式便器等への便器の取り替え
  6. その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

申請の手続き

例ですが、以下のように進めていきます。

ケアマネージャーに任せておけば大丈夫です。

また、知り合いの大工さんでも良いのですが、介護保険に詳しい業者の方がスムーズです。

  1. 住宅改修についてケアマネージャーなどに相談
  2. 申請書類または書類の一部を提出・確認
    ⅰ)支給申請書、ⅱ)内訳書、ⅲ)理由書、ⅳ)住宅改修後の完成予定の状態がわかるも
  3. 施行
  4. 完成
  5. 住宅改修費の支給申請・決定

3段階リセット

要介護状態区分が3段階重くなった時、または転居の場合は再度20万円までの支給限度基準額が設定されます。

例)要介護1→要介護4、要支援1→要介護2

正直、要介護4や5はあまり住宅改修を行いません。

福祉用具とは?

【福祉用具の定義】

『福祉用具とは、心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障がある老人または心身障害者の日常生活上の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具並びに補装具をいう』

【福祉用具の目的】

『心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障のある高齢者及び心身障害者の自立の促進並びにこれらの者の介護を行う者の負担の軽減を図るため、福祉用具の研究開発及び普及を促進し、もってこれらの者の福祉の増進に寄与し、あわせて産業技術の向上に資することを目的とする』

これは1993年に制定された『福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律』で定義されています。

福祉用具といったら、車椅子や歩行器、ベッド、置き型手すり…などが思い浮かぶかもしれません。

私は正直、以前はそうでした。

しかし、〝福祉用具”には定義にもあるように様々なものが含まれます。

例えば、義肢・装具・眼鏡・補聴器・文字盤・福祉電話・火災警報器…等です。

〝福祉用具”列挙できない程、非常に多いということです。

福祉用具の供給制度

福祉用具は、『介護保険法』と『障害者総合支援法』の大きく2つの制度で供給されます。

基本的には、介護保険法が優先されます。

例えば、同じ車椅子の場合でも、介護保険認定者は『介護保険法』で福祉用具が供給され、何らかの理由で介護保険非認定者の場合は、『障害者総合支援法』で供給されます。

要介護認定については↓この記事↓を読んでみて下さい。

『意外と知らない要介護認定』と訪問リハビリ

介護保険制度によるレンタル制度

介護保険制度で『要支援1・2、要介護1・2・3・4・5』

の認定を受けているものは介護保険で福祉用具をレンタルすることができます。

『レンタル・リース・貸代』

というと年齢を重ねた人だとあまり良いイメージを持たない方もいます。

しかし、私は

『(原則)レンタルできるものはレンタルした方が良い』

と思っております。

その大きな理由は、耐久年数と性能です。

例えば、車椅子で考えてみましょう。

車椅子(電動以外)の価格は約8万円~24万円程です。

耐久年数は約6年です。

単純計算で1年あたり、1.3万円~4万円です。

ちなみにレンタルは、月に約400円~1500円(リクライニング式)です。

単純計算で4800円~1.8万円です。

レンタルですと、壊れても交換してくれますし、定期的に新しいものに変えてくれます。

しかも、自動車や家電と一緒でどんどん良いものが出てきています。

性能が進化しているのです。性能が良くなっています。

あとは、レンタルにするか、購入にするかは『価値観』ですね。

レンタルにかかる料金

介護保険制度では自己負担が1割or2割です。(平成29年6月現在)

来年度の改正(平成30年8月)では1割or2割or3割になる予定です。

意外と知らない方も多いですが、

現在、レンタル事業所ごとにレンタル価格が異なります。

平成30年10月に福祉用具貸与の見直しが行われる予定です。(下記項で説明します。)

利用者さんごと料金が異なるということ、事業所ごと料金が異なることをまず理解してください。

そこで、大体の料金を1割の場合(月額)で説明していきます。

たくさんあり過ぎるので、有名なものを説明します。

メーカーによっても違うので大体と考えて下さい。

ベッド…400円(1モーター)、800円(2モーター)、1000円(3モーター)

超低床ベッド…1400円(3モーター)

ベッド柵…20円~150円(L字柵)

マットレス…100円~700円

エアマットレス…600円~1200円

サイドテーブル…200円~400円

車椅子…400円~1500円(リクライニング式)

電動車椅子(自走)…約2700円

車椅子クッション…100円~300円

セニアカー…2000円~2500円

スロープ…250円~1600円

移乗リフト…1300円~3500円

多点杖等…100円~150円

歩行器…100円~650円

置き型手すり…100円~1000円

大体このような料金設定になっています。

レンタルできるもの、できないもの

福祉用具は非常に多くの種類があります。

その中で、レンタルできるもの・できないものがあります。

まず、実際に貸し出す業者が取り扱っていないものはレンタルができません。

つぎに、介護保険の制度上、レンタルが可能なものと不可能なものがあります。

可能なのものは以下の通りです。

【介護保険でレンタル可能なもの】

①車いす、②車いす付属品、③特殊寝台、④特殊寝台付属品、⑤床ずれ防止用具、⑥体位変換器、⑦手すり、⑧スロープ(取り付け工事を伴わないもの)、⑨歩行器、⑩歩行補助杖、⑪徘徊感知機器、⑫移動用リフト(つり具を除く)、⑬自動排泄処理装置

貸与に不向きである、直接肌に触れる水まわりの用具類は特定福祉用具販売(購入)の適応となります。

また、介護度によってレンタルが不可能なものもあります。

介護度別にレンタルが可能なリストは以下の通りです。

全ての介護度で借りれるもの手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえ、自動排泄処理装置(排便機能を有しないもの)
要介護2以上で借りれるもの車椅子、車椅子付属品、特殊寝台、特殊寝台付属品、床ずれ防止用品、体位変換器、徘徊感知機器、移動用リフト
要介護4以上で借りれるもの自動排泄処理装置(排便機能を有するもの)

ただし、例外もあります。

例えば、要介護1の者が車椅子を介護保険でレンタル可能な場合があるということです。

意外と知らない人も多いですが、結構あることです。

それは、『医師の医学的な所見に基づき判断され、かつサービス担当者会議等により福祉用具貸与が必要であると判断される場合』です。

このような状態の人です。

  1. 日や時間帯によって状態が変動しやすく頻繁に福祉用具を必要とする人
  2. 短期間で状態が悪化し福祉用具を必要とすることが見込まれる人
  3. 症状の重篤化や重大な危険性を回避するために福祉用具を必要とする人

 

ここまでで述べたことは、あくまで『介護保険でレンタルできるもの・できないもの』です。

最近では自費のレンタルサービスも豊富になってきています。

介護ベッドなども比較的安く借りられる為、ケアマネージャーに相談してみてください。

介護保険制度による購入制度

レンタルできない福祉用具で、必要なものについては購入する必要があります。

基本的に売っている物であれば、全てのものを購入することができます。

その中で、介護保険での給付の対象となる『特定福祉用具』というものがあります。

この福祉用具は、年間10万円を上限に介護保険の負担割合に応じて1割or2割で購入することができる非常にお得な制度です。

この1年間とは毎年4月1日でリセットされます。

これも覚えておくと『損しない人』になります。

対象となる特定福祉用具は以下の通りです。

【対象となる特定福祉用具】

  1. 腰掛便座(ポータブルトイレや和式便器を洋式に変える物など)
  2. 入浴補助用具(入浴用椅子、浴室すのこ、浴槽台、浴槽手すりなど)
  3. 簡易浴槽
  4. 自動排泄処理装置の交換可能部分
  5. 移動用リフトの吊り具の部分

このように、入浴用具や腰掛便座など利用者さんの肌が直接触れることによって再利用に抵抗感があるものなどが特定福祉用具となり、介護保険での販売の対象になります。

障害者総合支援法による補装具費支給制度

介護保険の対象者以外は、障害者総合支援法における供給制度が適用されます。

障害の種類や程度によって福祉用具の購入費が支給されます。

【補装具費支給制度の目的】

障害者が日常生活を送る上で必要な移動等の確保や、就労場面における能率の向上を図ること及び障害児が将来、社会人として独立自活するための素地を育成助長することを目的としています。

原則、1割負担で、世帯所得に応じ、負担上限月額が設定されています。

生活保護生活保護世帯に属する者0円
低所得市町村民税非課税世帯0円
一般市町村民税課税世帯37,200円

ただし、障害者本人または、世帯員のいずれかが一定の所得以上(46万円以上の納税)の場合は補装具費の支給対象外となります。

【補装具の種類】

義肢、装具、座位保持装置、盲人安全つえ、義眼、眼鏡、補聴器、車椅子、電動車椅子、歩行器、歩行補助つえ(一部除く)、重度障害者用意思伝達装置

〔身体障害児のみ〕

座位保持椅子、起立保持具、頭部保持具、排便補助具

平成30年度介護報酬改定における福祉用具に関わること

平成29年度の予算として3億円が『介護ロボット開発等加速化事業』というものがあります。

これは介護現場のニーズを反映できる協議会を設置し、実用性の高い介護ロボットを現場レベルで実証し、開発を目指すという事業です。

ついにきましたロボット時代。って感じですね。

また、福祉用具の貸与に関しては、

『徹底的な見える化等を通じて貸与価格のばらつきを抑制し、適正価格での貸与を確保する』

という方向性で見直されます。

  1. 国が商品ごとに、当該商品の貸与価格の全国的な状況を把握
  2. 当該商品の全国平均貸与価格を公表レンタル業者は、福祉用具を貸与する際、当該福祉用具の全国平均貸与価格と、そのレンタル業者の貸与価格の両方を利用者に説明。また、機能や価格帯の異なる複数の商品を提示
  3. 適切な貸与価格を確保するため、貸与価格に上限を設定

①~③の取り組みを平成30年10月に実施予定です。

ABOUT ME
杉浦 良介
静岡県出身・在住の理学療法士(PT)です。 訪問リハビリの分野が大好きです。 人と人を繋ぐ理学療法士を目指しています。 訪問リハビリが好きな人・訪問リハビリについて知りたい人・繋がりたい人・悩んでいる一般の人…ドシドシお問合せ下さい! 相談されると喜んで返信します(笑) まずはお問い合わせから連絡をお願いいたします。 Twitter・Facebookのフォローもどうぞよろしくお願いします。
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